Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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いつまでもあると思うなこの命 無駄にするまい一秒だって
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そんなこと言っちゃうのねと 思ったが言い返さないシーソーゲーム
6
お日様の匂いや色を染め抜いた 蜜柑箱買い 我が家の贅沢
14
雪が降り 全のものが白になる 包帯みたいに 傷癒される
7
ストレスを知らず生きたり これからは そうは行かないシニアの哀しみ
2
忘年会釜揚げのゆげ うどん屋の よくがんばった 女三人
9
限りあるこの日だらけの人生を 故人の分も 生き抜くと決め
7
柚子風呂につかる時間の長さだけ 溶けて流留る 悪意と疲れ
6
この世では三本の指入
(
い
)
る 厳寒の 炬燵の温み首まですっぽり
4
また月曜 仕切り直しの日のありて まだ真っ白な週にざわつく
6
吾子の寝る枕の近く聖地なり イブの夜にはサンタになれる
6
今までの喜怒哀楽は無しとして スタートラインをまた引いている(◯十代になり)
4
年末のあわただしさを抜け出して 我取り戻す 歌の世界へ
4
M-1の 人は笑いてそして泣く 戦場にある本気の愉快
7
生牡蠣を 鍋で蒸し焼き プックりと 可愛く膨らむ海の塩味
5
高齢の家族の夜に 忍び込み プレゼント置く 秘密の時間
4
煙突のない家に住む我に孫 かわいそうにとあめ玉一つ
14
どこまでも歩いて行きたい日のありて 後ろは見ない荷物は軽し
5
クリスマス ケーキの薔薇の花束をスプーンですくって ちゃんと受けとる
6
プレゼント孫のサンタになりたくておもちゃの世界旅する幸せ
9
背中にカイロ張りし日は背押すお日様共にありたり
3
家族とは 一番そばにありながら 時に北極より遠し
10
時間ごときっちり並んだスケジュール 木っ端微塵にしたミサイルよ
4
忙殺を想定していた今日の日に 想定外の薔薇の花束
10
じっとして黙っていたい時もある 座った床の温みと共に
5
三人の高齢家族なりたれば 話題は昭和のあるある話
12
引き出しにしまったはずのあの日には 海の波音夕陽の匂い
9
静けさが私を包んでくれるならお礼にあげよう涙のダイヤ
4
毎朝に 今日やることを 二十書く コンプリートは 五回しかなし
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この空の どの辺りまで行ったかな? 何も持たずに 名さえ持たずに(逝った子へ)
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