月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

居間座る 平均年齢 七十九  三人の影静かなり
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過去なぞり未来を考え今を見る 私の謎を解くのは私
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年末の大掃除まだ始まらず せめて玄関飾る花買う
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雪が降り 静かに積もるそんな夜は 薪ストーブの音聞きあくび 
6
この指が覚えているよ 雪の日の 繋いだ温度我を救いし
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ラーメンを 自分が食べるの平気だが 家族食べるの なぜかみじめに
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真っ白の峰に向かいて アクセルを踏めば 心も一時雄大
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早朝に歌詠み楽し 時忘る スマホに預けた 指の凍えも
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母の押す 歩行器の音 カラカラと 廊下に響く 午前1時に
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いつまでもあると思うなこの命 無駄にするまい一秒だって
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そんなこと言っちゃうのねと 思ったが言い返さないシーソーゲーム
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お日様の匂いや色を染め抜いた 蜜柑箱買い 我が家の贅沢
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雪が降り 全のものが白になる 包帯みたいに 傷癒される 
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ストレスを知らず生きたり これからは そうは行かないシニアの哀しみ
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忘年会釜揚げのゆげ うどん屋の よくがんばった 女三人
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限りあるこの日だらけの人生を 故人の分も 生き抜くと決め 
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柚子風呂につかる時間の長さだけ 溶けて流留る 悪意と疲れ
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この世では三本の指入る 厳寒の 炬燵の温み首まですっぽり
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また月曜 仕切り直しの日のありて まだ真っ白な週にざわつく 
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吾子の寝る枕の近く聖地なり イブの夜にはサンタになれる
6
今までの喜怒哀楽は無しとして スタートラインをまた引いている(◯十代になり)
4
年末のあわただしさを抜け出して 我取り戻す 歌の世界へ 
4
M-1の 人は笑いてそして泣く 戦場にある本気の愉快 
7
生牡蠣を 鍋で蒸し焼き プックりと 可愛く膨らむ海の塩味
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高齢の家族の夜に 忍び込み プレゼント置く 秘密の時間
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煙突のない家に住む我に孫 かわいそうにとあめ玉一つ
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どこまでも歩いて行きたい日のありて 後ろは見ない荷物は軽し
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クリスマス ケーキの薔薇の花束をスプーンですくって ちゃんと受けとる
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プレゼント孫のサンタになりたくておもちゃの世界旅する幸せ
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背中にカイロ張りし日は背押すお日様共にありたり
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