Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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用意した 家族のための モーニング サラダ果物 トーストと愛
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「なんでやねん」教えた私が 悪いけど ツッコミ鋭く 孫にたじろぐ
10
どうしてを 何万回も 繰り返す 今日の私は 無邪気なドングリ
2
控えめで 無口で静かな人だった 自分の中に もう会えぬ父
4
風花に 白く霞むや 山の中 熊の親子の 抱き合う温度
4
たこ焼きの 真ん丸のごと ころころと 軽く転がる 心になりたし
4
好きなもの 一つあげよと言われたら 雪解けの日の フキノトウたち
13
コンビニで 楽譜印刷 ソロ初級 ピアノの曲は 中島みゆき
6
ため息が 心を撫でる やんわりと 辛さで熱い 傷なぐさめて
5
カシオペア 探して見上ぐ 冬空の 私も一人 あなたも一人
7
できるなら 我の寿命を 与えたき 生まれず逝った 十六週の子
19
胎内の 小さき命 星になり ママの涙に 浮かんで光る
23
知らぬ間に歩かされたる道のあり 歩きたき道 静かに探す
11
朝五時に 憂鬱で目覚め 窓開ける 肺まで届く 「大丈夫だよ」
16
仏壇に 白菊の香の漂いて 今日誰の幸 祈るか迷う
6
気付かれず 終わる
物語
(
はなし
)
の幾千万 山あいの道 窓の外には
5
アホらしい 吾を大切にせぬ吾が誰か 慰めるなど 百年早い
6
峠道 ここそこにある白滝は 山の涙かため息か
6
たくさんの美しき人出会いたり 東京にまた帰りたきかな
4
夕暮れの店の珈琲グァテマラで シナモンのかをり 飲み込んでおり
5
白樺の 細き枝もち 雪を待つ 折れはしないか 負けはしないか
8
「赤ちゃんにあげたいから」と 花探す 孫の冬の日 空からは雪
15
人生の 後半かかり 息切れも 時々あるが まだ走れるよ
4
立ち止まり 振り返ってみる 来し道を 出会えた人に 我作られし
9
ごみ仕分け 瓶の蓋開け 孫迎え あなたのお陰 一杯どうぞ
3
百六の 歳重ねたる 伯母の背に 冬陽静かに 落ちておりけり
21
屋上で 見たあの夜の 流れ星 願いの一つも 叶っただろか
6
中指を 少しかむ癖 付きにけり 歌を詠むとき 数独する間
4
星屑を 集めて瓶に 入れたくて 手で受け止める 流星群の夜
7
読経して 喪主席座る 友のあり 小さくなり背少し曲がりて
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