月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

「赤ちゃんにあげたいから」と 花探す 孫の冬の日 空からは雪
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人生の 後半かかり 息切れも 時々あるが まだ走れるよ
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立ち止まり 振り返ってみる 来し道を 出会えた人に 我作られし
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ごみ仕分け 瓶の蓋開け 孫迎え あなたのお陰 一杯どうぞ
3
百六の 歳重ねたる 伯母の背に 冬陽静かに 落ちておりけり
21
屋上で 見たあの夜の 流れ星    願いの一つも 叶っただろか
6
中指を 少しかむ癖 付きにけり 歌を詠むとき 数独する間
4
星屑を 集めて瓶に 入れたくて 手で受け止める 流星群の夜
7
読経して 喪主席座る 友のあり 小さくなり背少し曲がりて
18
九十九くじゅうく の母の介護し見送りた 友の喪服に一筋白髪
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もしかして ○十代は 今よりも フリーな私 演じらるかも
3
山茶花は 潔いいさぎよ花 冬寒の 景色彩り静かに咲けり
8
うるさいは 近くいるから 腹立つも そばにいるから 甘えてるから
5
知らぬ間に 星は流れて 風が行き 月満ち欠けし 時は流れた
7
約束の 電話忘れて 寝落ちした ごめん ごめんね ごめんなさいね
4
冬枯れの庭に見つけし赤の実に そっと触れると 甦る夏
8
もう遠く 遥まで来た この道を 変わらず歩く 一日一歩
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干し柿に ブランデーかけ 熟成を 待っている午後 冬の日の熱
4
わかってる 私なんかと 思うのは これから未来 生きる意味なり
3
歌に乗せ 解き放つ吾の 心たち みんな自由に どこにでも行け
5
毬のごと お店を跳ねて 孫歌う 流れている曲 「アイドル」合わせて
5
いい湯だな なんて歌って 哀しみを お湯にとかして 流す冬の日
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お母さん 亡くなったんだね 知らなくて 電話の向こうは 晴れだといいな 
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無防備な 寝顔の四歳 吾の肩に 全てを預け 静かな寝息
8
こっちおいで 一緒に遊ぼ お日様の 匂いまとった 小さき命
8
人生は 期限付きでも 自分には その期限日を 知らされずおり
8
冬枯れの 寂しさ舞うころ 呼ぶ名前 決まってあなたの 下の名前を
2
髪止めた 赤いリボンを 揺らしつつ 少女 異国の旅人となる
5
友の着く 列車待ちつつ 駅座る 一秒ごとに 上がる体温
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待合の 高山駅は多国籍 知らない言葉の母子は微笑む
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