月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

空き缶の二つ三つあり テーブルに 四人の宴会 品行方正
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百歳を越えた肉体 医師に見せ 伯母は少女の顔になりたる
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友といて老いの恐れの薄まりて 「またね」の笑顔 胸にとどまる
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時間経ち 害や罪知る コロナ禍の 影響と言う名の黒いもの
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生きる意味わからないけど生きている 今日もエアコン予約煖房
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楽しさが立ち上がり来る友といて 満たされていく心の砂漠
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節約を「しよう」ではなく「しなければ」愛しく思ふ落ちてる一円 
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熊に鹿 眠るあの山 目覚ましは まだまだ遠い春の光か
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「私には助さん格さんいたからね」誉められた人微笑んで言う
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頑固さが言葉をまとい座ってた 久しぶりだねあなたも老けた
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孤立した集落進むテレビクルー  映る孤独と疲労の色よ
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珈琲に間を埋められて喫茶店 沈黙破る彼女の眼差し
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宴会で今年の抱負尋ねられ ケーキみたいな甘いこと言う
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数独の向こうに見える未来あり スマホのなかのシニアの戦場  
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痛み止便秘に頭痛湿布薬 旅行のお供の町の薬屋
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「以上です」弁護士のよに言えたなら 小さくなるか?悩み体質
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どのくらい時間をかけて舞い降りぬ ひとひらの雪私に来るまで
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短歌詠み気付けば次の日になりぬ シンデレラならアウトだったね
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初めてのピアノレッスン先生の 最初の言葉「せっかちですね」
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開けてみる宝箱には 青春と ゴミに間違う想い出のあり
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叱られるチコちゃんいたらこの事も 常にボーッと生きてる私
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星空のラメ入り布を切り取って 穴にあてたい孫のズボンの
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天気予報この地のことより 北陸に目が行く朝よ 南天をさす
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炬燵には集まり弾む会話あり 寂しくならぬ 冬なせる技 
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初めての海釣り能登の優し波 雄々しき船長どうかご無事で
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嬉しいと悲しいののうざさなど 薪ストーブの火種にしており
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空のはて何があるかを思いつつ 今朝の献立考えている
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この店の一番人気えび天の 握り差し出す 新入りの人
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年二回 あるかないかの据え膳の 友の作った 黒豆の艶  
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ぜんざいのお餅いくつ?と尋ねられ 鏡開きをググる平和よ
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