月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

面倒な千切りキャベツ包丁の リズムは刻む 私の日々よ
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せっかちな我を直すは難しく まず深呼吸 二息止まれ
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爽やかさなんてずうっと前に捨て ささやかさとだけ共に生きてる
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遠い日の部活はバスケ補欠なり 記憶に残る水飲む蛇口
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雪の道灰色になり歩く時 孤独は我の 一番そばに
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まずサラダ 夫のための 千切りは 上達せずにキャベツも悲し
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 朝食の 準備終ったテーブルに 「もう少し寝る」と書いておくメモ
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水色のランドセルなり一年生 孫は未開の道歩き始む
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雨戸開け雪の深さを目で測る 白の世界は山まで続く
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トーストの少し茶色の焼き加減 いい音させて母は食べたり
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この雪の下で眠りぬたくさんの 命の一つの我を思ふ日
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残りの日あとどれくらい有るのかな 誰かのために命削りたし
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シーソーが好きだった訳わかりたり 結論出せず迷ってばかりで
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暗闇を切り裂いていくJR 光の満ちたはらぺこ青むし
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大雪の予報知らせる声のして 北陸の雪 こっちへおいで
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目が覚めて今日も朝来た生きている 新しい靴おろすと決める
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「水が来た」 手合わせお礼をされる方 被災地の冬ますます辛し
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感謝した その瞬間に 満ちてくる 温かいもの我の心に
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朝はパン 昼はお餅で 夜ご飯   欠けた歯のない 母の食欲
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もんじゃ焼き まずはチーズと明太子 その後は餅もキムチも参戦
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母としてろくでもなかった我なれば 今出来ること息子に孫に
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花に似たゴムで髪止め四歳は  ウインナー買う 初めて一人で
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空の隅少しの光有ればいい 立ち止まり見る 五秒の瞑想
9
以前よりゆっくり歩き 話すよに 我のせっかち 直すプロジェクト
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尋ねられ今年の漢字一文字は きっぱり生きたく「潔」とするなり
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ブランコのように生きてる毎日を 時には空へ放り投げたし
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弟を見送る母の寂しさは 雨になりたり 九十五の冬
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蔵二階 自分で作ったアトリエで 主人はひとりゴッホになりたり
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「明日の朝モーニングおいで」とLINEする 大事な娘 嫁と言う名の
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好きだった無駄排除した動きには 利休の思いか お茶たてる午後
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