月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

揚げたてのコロッケ焼き鮭お刺身の 千円ランチで家族の絆
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走る女性ひと四十二.一九五 あなたは風より風になりたり
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女子マラソン 女神は風の馬に乗り ゴールのパリに鞭振り下ろす
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運命の人があなたと思わない アミダが選んだ運はあるけど
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決めたこときちんとやろう デジタルの時計の真面目見習いなさい
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魂が触れあったとも思う人達ひと ランチに弾む言葉の愛し
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雪のに月は高くに上りたり 家々かすかに照らしておりぬ
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悪口が芸なる人の漫才の 終わった後の 笑顔美し
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水仙のイラスト隅に描いてみた 友に送った春の葉書に
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痛いほど冷たい冬に一人いる 能登の海にも春よこいこい
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気楽さと面倒くささの間にて 家族と言う名の水槽漂う
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悲鳴して力士は下に落ちていく 初場所という極上ドラマ
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今朝も寒っ 起きねばならぬ訳も無し 頑張ることを休むと決める
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親戚の葬儀の帰りにつれあいと シミュレーションす 我が家の場合
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喪主様の手の小刻みに震えつつ 声にも滲む青い寂しさ
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出棺に幼子の声響きたり 笑顔誘った「いってらっしゃい」
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何しても許される時もらえたり したいことリスト作って終わる
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寒い時冷たい時は被災地に 願ふ春風早く吹くよに
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お料理は脳トレであり趣味であり 何より家族のためになるもの 
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十五分四品作ってはいどうぞ 独り暮らしの従兄弟のために
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お見合いでお断りした人の言う  「目を見て話す人じゃないから」
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初めての葬儀で手合わす孫の髪   揺れる向こうの遺影の微笑み
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面倒な千切りキャベツ包丁の リズムは刻む 私の日々よ
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せっかちな我を直すは難しく まず深呼吸 二息止まれ
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爽やかさなんてずうっと前に捨て ささやかさとだけ共に生きてる
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遠い日の部活はバスケ補欠なり 記憶に残る水飲む蛇口
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雪の道灰色になり歩く時 孤独は我の 一番そばに
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まずサラダ 夫のための 千切りは 上達せずにキャベツも悲し
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 朝食の 準備終ったテーブルに 「もう少し寝る」と書いておくメモ
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水色のランドセルなり一年生 孫は未開の道歩き始む
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