Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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寒すぎる 冬のおかげで 一つ部屋 家族集まり 蜜柑の時間
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曖昧に 救われること多かりき シャープなライン 好きなくせにね
4
孤独とは 苦味あるいは渋みなり 珈琲飲んで 味わうものなり
7
耳鳴りと 共に生きると 決めたから 邪魔者じゃない 戦友と呼ぶ
11
生きる意味問われて答ふ 朝の来て また生きられる!空の青さよ
8
「無理するな」友のいつもの声ありて 少し笑って無理する私
15
午前二時二十二分の暗闇に 希望灯しつ 歌詠む我は
10
あなたなど忘れていると 言いながら 心の奥に 嘘の種植え
10
辛いこと 話してみれば少しだけ 楽になるのが心のシステム
8
「サンタさん 園長せんせ なんだよ」と 耳でささやく 孫の複雑
12
三月の 日差しのように 冬の日を 慰められる 我になれたら
5
泣くほどの 辛さあるのに 見せもせず いつものあなたに 替わりに泣く我
5
もういない 小さな人を 生むために 車は進む 息子夫婦の
3
幼子の 頃の夢なり バスガイド 切符を切って バックで笛ふく
4
本当の名前はかなり平凡で その名のような 平凡が好き
16
腕いっぱい 抱えるほどの 白菜の 年輪のよな 優しさ食べる
14
飛行機に 乗って知らない街に行き 市場の林檎を 一つ買いたし
7
用意した 家族のための モーニング サラダ果物 トーストと愛
5
「なんでやねん」教えた私が 悪いけど ツッコミ鋭く 孫にたじろぐ
10
どうしてを 何万回も 繰り返す 今日の私は 無邪気なドングリ
2
控えめで 無口で静かな人だった 自分の中に もう会えぬ父
4
風花に 白く霞むや 山の中 熊の親子の 抱き合う温度
4
たこ焼きの 真ん丸のごと ころころと 軽く転がる 心になりたし
4
好きなもの 一つあげよと言われたら 雪解けの日の フキノトウたち
13
コンビニで 楽譜印刷 ソロ初級 ピアノの曲は 中島みゆき
6
ため息が 心を撫でる やんわりと 辛さで熱い 傷なぐさめて
5
カシオペア 探して見上ぐ 冬空の 私も一人 あなたも一人
7
できるなら 我の寿命を 与えたき 生まれず逝った 十六週の子
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胎内の 小さき命 星になり ママの涙に 浮かんで光る
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知らぬ間に歩かされたる道のあり 歩きたき道 静かに探す
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