Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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感謝した その瞬間に 満ちてくる 温かいもの我の心に
10
朝はパン 昼はお餅で 夜ご飯 欠けた歯のない 母の食欲
4
もんじゃ焼き まずはチーズと明太子 その後は餅もキムチも参戦
5
母としてろくでもなかった我なれば 今出来ること息子に孫に
10
花に似たゴムで髪止め四歳は ウインナー買う 初めて一人で
7
空の隅少しの光有ればいい 立ち止まり見る 五秒の瞑想
9
以前よりゆっくり歩き 話すよに 我のせっかち 直すプロジェクト
3
尋ねられ今年の漢字一文字は きっぱり生きたく「潔」とするなり
8
ブランコのように生きてる毎日を 時には空へ放り投げたし
8
弟を見送る母の寂しさは 雨になりたり 九十五の冬
14
蔵二階 自分で作ったアトリエで 主人はひとりゴッホになりたり
6
「明日の朝モーニングおいで」とLINEする 大事な娘 嫁と言う名の
6
好きだった無駄排除した動きには 利休の思いか お茶たてる午後
5
この人は裏切らないと思えるは 多くの時間と言葉のありたり
5
避難所の 時間限定居酒屋の 赤ちょうちんは人々照らす
6
孤立した地区の解消伝え来る テレビの四角に救われている
4
法要のお膳指差し従兄弟言う 「輪島塗りだよ。買って良かった」
9
美しい心になりたし 時々は ざるに投げ込みザブザブ洗う
8
母作る 海苔巻きの味 忘られず 真似して作るツナのでんぶを
6
詠み終えて 冷たき指を お布団の中でぬくめる大寒の朝
8
最愛の叔父三回忌出席す 共に歩いた畑荒れたり
19
大寒は昨日と知りて指先の 冷たさ瞬間遠くなりたり
6
いつからが老人なのか掃除機を かけつつ思う 古稀なる朝に
10
脳トレに一日過ごす母だから 認知症には 私が先に
5
ろうそくの灯火揺らぎ祈るとき 心は一度 被災地へ飛ぶ
8
真実は末端に宿る現れる 我の言動 心が支配す
2
日常が守られており当たり前に 蛇口ひねれば水の出ること
7
牢獄の机に向かい歌詠みて 歌に救われし死刑囚かな
3
孫の弾くピアノを耳に台所 今夜のメニューは甘めのカレー
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出会いとか言葉が我を造ったと 静かに思う もうすぐ立春
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