月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

この人は裏切らないと思えるは  多くの時間と言葉のありたり
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避難所の 時間限定居酒屋の 赤ちょうちんは人々照らす 
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孤立した地区の解消伝え来る  テレビの四角に救われている
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法要のお膳指差し従兄弟言う 「輪島塗りだよ。買って良かった」
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美しい心になりたし 時々は ざるに投げ込みザブザブ洗う
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母作る 海苔巻きの味 忘られず 真似して作るツナのでんぶを
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詠み終えて 冷たき指を お布団の中でぬくめる大寒の朝
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最愛の叔父三回忌出席す 共に歩いた畑荒れたり
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大寒は昨日と知りて指先の 冷たさ瞬間遠くなりたり
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いつからが老人なのか掃除機を かけつつ思う 古稀なる朝に
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脳トレに一日過ごす母だから 認知症には 私が先に
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ろうそくの灯火揺らぎ祈るとき 心は一度 被災地へ飛ぶ
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真実は末端に宿る現れる 我の言動 心が支配す
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日常が守られており当たり前に   蛇口ひねれば水の出ること
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牢獄の机に向かい歌詠みて 歌に救われし死刑囚かな
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孫の弾くピアノを耳に台所 今夜のメニューは甘めのカレー
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出会いとか言葉が我を造ったと  静かに思う もうすぐ立春
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高齢の実母ははにこの先教えらる 微笑み終わる命でありたし
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冬の雨 泣いた顔にもまた涙 枯れることなし 寂しさ辛さ(被災地へ)
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三人の 十歳以下のお客様 パスタとピザとぬいぐるみで待っ
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美しいLINEスタンプ くれし人 親友という 枠にいりたり
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亡き父が 我に伝えし 「ありがとう」一日百回 使う目標
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生き方の 迷子になると 空を見て答えを探す 癖はなおらず
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我が町の自慢の駅舎 百年を 越える年月 人見送りて
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抱き上げた 孫の重さに うろたえる 成長嬉し 自分の悲し
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人生の砂時計から 一秒が こぼれ落ちてる 音好きだから
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避難所でこんな我でもできること 手を握ること共に泣くこと
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いつの日かきっと復活 輪島塗 黒のつやめく職人技の
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戦争に奪われたもの多し母 小さくつぶやく「戦争はだめ」 
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富士山の頂上一度登りたし 地球の形状見ておきたくて
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