月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

金運のご利益ありと言うけれど お守り高くて買えそうもない
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春らしい日差しよ能登へ少しでも 多く集まれ祈りと共に
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水色の水玉模様の傘さして 雨を味方に歩くあの子は
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優しさは甘さに似てて心地よく 過ぎてしまえば体に悪し
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遠足のシニア三人 蕎麦ランチ 蕎麦湯の丸い温かさあり 
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もう出たかいつもあの辺福寿草 小さい黄色の春の原点
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焼き肉の店の行列途切れ無く いい仕事したグルメ番組
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スーパーで春めいたもの探したり 宛名の人は入院中の
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アフリカの植物たちの営みの 規則正しさ伝える番組
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もれてます携帯の声丸聞こえ 全てのもれは自由区造る
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ご飯茶碗手渡し触れた指先の  冷たさに知る母の余命
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呉服屋が四軒スーパーなしの町 住もうとしている猫と私と
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公平に一本ずつに雪置いて 冬終わらぬと主張する山
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一日のほとんど過ごす脳トレで 九十五歳の筆箱の厚み
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体操の首回しして音のする レントゲンの目で我を見透かす
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抱き締めて話すことなき思い出を 広げてみたい深夜二時頃
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誘われて行くコンサート チャリティーの 少し地味目の爪の色にす
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夢で会う亡き父の手の温かさ 触ろうとして触りもできず
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朝焼けの午前六時の風に居て 散る時見たい満開のはな
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さばさばとした女性ひとだからあの男性ひと紹介したのとねちねち言う人
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読書して歌を詠んだり居眠りと   待合室の時間の濃密
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ほとばしる柑橘系の雫なり 少女だった日の母の面影
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悲しみは深海眠る瓶の中閉じ込めておく忘られる迄
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短歌会はじめましてのメンバーは 微笑む春の静かに立つ日
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思い出すいいことばかり先輩の逝ってしまった最後の夜に
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先輩のマニキュアの色深緑 森に触れたり恐れもせずに
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悪口も愚痴も自慢もあなたから聞きたくないと星だけ見る夜
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動画見て体操する母生真面目な 指先ピンの腕上げ下ろし
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三人で黙って見ている番組で一人だけ笑う漫才悲し
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忘れられ一晩外に干されてたタオルはためく空の青し
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