Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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誰にでも秘密の一つや二つある 教えてくれた 嘘のない空
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同い年の訃報は届く夜9時に はにかむ笑顔 合う人だった
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珈琲の薫りの包むカフェにいて 来た道行く道静かに思ふ
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片隅に光集めて咲いている 都わすれの小さき花びら
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片耳の補聴器あれば難儀なし 会話もテレビも意のままとする
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日曜の朝の時間のゆっくりと 流れに任せ 我 軟体動物
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特急に乗る人になり遠くまで 行きたい日ある主婦の憂鬱
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こんなにも作れた料理何品も 誰かのためならまだ頑張れる
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空に空 海には海の呼吸あり たゆまず変わらず吾の側にあり
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保育園帰りの道のカフェに寄る チーズケーキは二人の約束
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月曜と木曜だけのお迎えの 孫の笑顔のひまわりのごと
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値札見て引っ込める手の多くなり 主婦のリアルな買い物ゲーム
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山高く空狭くある我が家には 急ぎ足の夜 星たち連れて
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水やりを忘れてビオラ倒れおり じょうろ片手に呟く「ごめん」
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紫陽花の固き緑の蕾には 一つ一つに覚悟のありて
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忘れ得ぬ名前をそっと呼んでみる 返事の聞こゆ風の中にぞ
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朴の葉で鱒と生姜のすし飯を 包んだ初夏の我が家のご馳走
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能登の方手合わせ祈る 朝風よ 気持ち運んで静かに吹けと
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災害の予告は空にあるかもと 見上げる癖はホントは嫌い
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さくらんぼ今年も可憐な実のつけて カラスも狙う戦場と化す
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話しさえ急に聞こえぬ母なれば 耳の近くの大声悲し
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数センチ風呂の窓開け夜を呼ぶ 涼風顔に受ける幸せ
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地獄耳自慢していた母なれど 聞こえぬことも良いことありと
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母ついに九十六になった日は 風はいつもと変わらず吹いた
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ハンドルを握りどんどん離れてく 遠のく家は私縛れぬ
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一曲の名前も知らぬボーカルの 声に恋した五月のドライブ
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手を掛けぬ庭に今年も咲いており 鮮やかな白二輪草たち
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百七の誕生祝いろうそくを 吹き消す伯母の真面目な横顔
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原因と結果はいつも決まってる わかっちゃいると蟻に呟く
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ラベンダー 直線の茎 跳ねるよに 背伸び始める 空に向かいて
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