月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。

冷蔵庫で冷やしたチョコはすぐ溶けて 体の奥の孤独持ってく
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山があり川が流れるふるさとの  お隣からの朴の葉の寿司
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よもぎ茶の苦味と甘さ飲み干して からだの毒素流す早朝
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三温糖まぶした苺の一匙は 記憶の中の母の指から
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息以外何もしないと決めた日に 届いた葉書の片隅に紫陽花
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雨上がり山肌霧を吸いこめり 同窓会の朝は清けし
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肺癌の自分を友にも見せず逝く 記憶の笑顔消えることなし
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水田に雨の止まらず注ぎたる 水ノ輪小さく苗を揺るがす
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6月の苺は甘く柔らかい 季節外れの私に似てる
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誰にでも秘密の一つや二つある 教えてくれた 嘘のない空
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同い年の訃報は届く夜9時に はにかむ笑顔 合う人だった
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珈琲の薫りの包むカフェにいて 来た道行く道静かに思ふ
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片隅に光集めて咲いている 都わすれの小さき花びら
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片耳の補聴器あれば難儀なし 会話もテレビも意のままとする
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日曜の朝の時間のゆっくりと 流れに任せ 我 軟体動物
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特急に乗る人になり遠くまで 行きたい日ある主婦の憂鬱
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こんなにも作れた料理何品も 誰かのためならまだ頑張れる
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空に空 海には海の呼吸あり たゆまず変わらず吾の側にあり
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保育園帰りの道のカフェに寄る チーズケーキは二人の約束
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月曜と木曜だけのお迎えの 孫の笑顔のひまわりのごと
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値札見て引っ込める手の多くなり 主婦のリアルな買い物ゲーム
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山高く空狭くある我が家には 急ぎ足の夜 星たち連れて
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水やりを忘れてビオラ倒れおり   じょうろ片手に呟く「ごめん」
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紫陽花の固き緑の蕾には 一つ一つに覚悟のありて
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忘れ得ぬ名前をそっと呼んでみる 返事の聞こゆ風の中にぞ
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朴の葉で鱒と生姜のすし飯を 包んだ初夏の我が家のご馳走
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能登の方手合わせ祈る 朝風よ 気持ち運んで静かに吹けと
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災害の予告は空にあるかもと 見上げる癖はホントは嫌い
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さくらんぼ今年も可憐な実のつけて カラスも狙う戦場と化す
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話しさえ急に聞こえぬ母なれば 耳の近くの大声悲し
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