恵雪
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ほぼほぼ日記。
ぼちぼち、ゆるゆる。

雨の日の静かな待合室へやで赤ちゃんのしゃっくり愛らし平和な時間
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粗大ごみ三往復の筋肉痛 翌日に来てほくそ笑む朝
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やぐらにて長閑のどかに香る盆梅の足元残るいくさ狭間跡さまあと
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朝のままのダウンとブーツですれ違う半袖ランナー汗きらきらと
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杖持たず背筋伸ばしてかくしゃくと大正生まれの患者ひと歩き来ぬ
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和洋中 とっ散らかった夕餉にも不平を言わぬ夫有り難き
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この先は行きつ戻りつ冬と春 最後の粕で甘酒作り
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暖かな雨落ちる通学路みち見下ろせば小さな傘の花いろとりどり
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お名前を呼べど気付かぬ若者よ 医院でヘッドホン付けてくれるな
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南からの夜風に微かな春の匂い 嬉しさ半分寂しさ半分
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太陽の軌跡高まり西窓の部屋で緑は心地良さげに
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暮れ残る空に寺院の鐘ひとつ 塔の上にて三日月の笑む
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久々にブラウニー焼く昼下がり甘い香満ちてバレンタインイブ
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この陽気逃してなるかと布団干す 今日だけ花粉は見て見ぬふりして
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神木の大き楠突き抜ける空に旅客機高度下げつつ
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猫まみれ境内る時出る時もそっとおでこを撫でて挨拶
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浄瑠璃寺 九体くたいの阿弥陀如来像に彼岸の母の安寧願う
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「素敵だな」「分かるわ」「頑張れ」「おもろいやん」短歌うたに感情活性化され
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時雨去り窓の雫越しに映ゆ朱鮮やかなまんまる夕日
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何となく曇りがちな空も気も晴れて欲しいと春色ピアス
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温かな常緑みどりふところいだかれて鳥は囀る夕暮れの歌
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月命日 今際いまわきわまなこ想う 何言おうとしたの? 夢で教えて
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万葉集 栞のページに 遠距離の我が身重ねし相聞歌有り
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たまにはと学生時代の文庫本 開けてびっくり 字ぃ小っちゃ!
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もやが去りても残るほの白さ 屋根屋根の霜に薄日の差せる
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孫可愛い されど我がが一番と 母の言葉を朝ドラに聞く
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柔軟剤 別の香りに変えてみる 小さなトキメキ 本日は晴れ
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東雲しののめにひそり輝く細い月 明け空の青に儚く溶けゆく
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時間かけ問診票もんしん書いた新患に小声で告げる 耳鼻科はお隣
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降り続く氷雨に沈む住宅街 信号だけがいろを放てり
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