Utakata
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プー子
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共存は夢のまた夢出没の羆の気持ちは伺い知れず
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霜にあいしワラビ食む日は三十℃夏の傍には時折の冬
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名も知らぬ花をスマホは言い当てるズダヤクシュとうを夫の手折り来
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早蕨の黒き頭は霜やけか初夏の寒気を侮るなかれ
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息災を尋ねるためにする電話米寿の友の声の明るく
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朝日受け黄砂の予報を知らざるや チューリップの直立不動
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廃屋の庭隅に咲くスズランを散歩の途中に摘みて帰らん
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唯一の被爆の国を知らしめるヒロシマへの七十八年
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向き合いしミシンの音の軽やかさ屈めた背なに薫風通る
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くり返し餌をねだり来るすずめ等の信頼受くやベランダの夫
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充実の日日を過ごしてこの虚脱いつしら輪ゴムは伸びきったまま
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久に会う媼三人はハグののち時を埋めんとお喋り尽きず
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レンギョウの濃ゆき黄色の力借り残りの坂を登りて行かな
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なかよしの雀に餌をやる夫の背のいつしら僅かな丸みをおびる
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道東の地震多発地に住みしこと思い出させる今朝のニュースは
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度度の不意を憑かれる
大地震
(
おおなえ
)
の瞬時のニュースに足元震う
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アンテナに寄り添う二羽のカラスいて何やら会話の弾んでそうな
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再会を疑わずいたみっちゃんの訃報伝える朝刊閉じる
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さくら終え初夏を迎える気構えに眠気覚ましの雪予報きく
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朝刊の星ふたつなる数独にしばし挑みて脳を起こす
(
)
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再三の黄砂に出向く洗車場さくら花びらどこからか舞う
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六度目の接種券など送られて接種日、予約日細々とあり
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子育てのスズメに施すパン屑にヒヨドリ寄り来る首かしげつつ
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谷地坊主に寄り添いて咲くミズバショウ雪解の水の清らに澄みて
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北国のエゾヤマザクラの咲き誇るそを見に出で来る野ウサギもいて
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青空の幾日ぶりに誘われていで行く先の桜ほころぶ
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寒空を見上ぐる窓に降るあられホットミルクが恋しいはずだ
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春告に姉は葉わさび下げて来るガツンと辛い春の一撃
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同胞と揃って続く老い談義午後の陽射しのぬくぬくとして
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子等のため教育のため団塊の世代は惜しまず育て上げたが
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