プー子
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真っ直ぐな亡母の縫い目を解きつつリメイク楽しむ冬の陽だまり
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短歌うたを知り友ができたというなれの庭を詰め込むやさしい包み
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まさびしき初冬の路地の夕暮れに詠草落とす灯下のポスト
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V字描き低く飛び行く白鳥の見ゆる大地の白ひと色に
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夕暮れの雪明かりする帰り道等の町にも降っただろうか
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炊きあがる新嘗祭の朝の飯納豆・佃煮・漬け物・イクラ
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目の前の大雪山の真白きが飛び込んで来いと向かうハイウェイ
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一本の甘めの酒を分け合いて三人で祝う姉の傘寿を
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群れ立ちて落ち穂啄む白鳥の目的の地はあと幾日ぞ
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ハンドルを力を込めて握りしめこの冬初の圧雪道路
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遺されし亡母の長着のリメイクは過去を引き寄せ娘に還る
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移りゆき慣れぬベッドに雨音を兄も聞くらん二日目の夜半
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四時前の落暉を見つむ耳元へ君の病の名ばかり残る
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かの山の羆はそろそろ寝た頃かとんと聞かない出没ニュース
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零れ種助けし夫のルコウ草霜置く朝の窓辺に赤く
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旅先に振り分けられし四人部屋波長揃いて笑い声立つ
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足早な雲は初雪降らすのちひんがしの街目指して急ぐ
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立冬に入るやいなや画面にはバケツ帽子の雪だるま登場
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冬晴れの夕映え受けるカラマツの黄金に浮かぶ山の中腹
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岸田君議員定数削減を 支持率アップの特効薬に
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黄昏のなんだか寂しいこころもち短い秋と一緒に駆けて
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炬燵布団・ちゃんちゃん焼の出番にて冬が益々近づいて来る
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幾度目のはららご取出す感触か命の重さ直に感じて
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いつまでも体調すぐれぬ友の弁汗を拭き拭き止まずに続く
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菊の香の気高くかおる秋日和ひとりの時間静かに過ぎる
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一段と老いを進めて講習なるを受く自動車学校
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日毎葉を落としつつある桜木に鵯いく羽 長月に入る
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ハロウィンに浮かれる輩わが国の新嘗祭で感謝を示そ
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大半を離れて暮らす母娘なり親となりて五十年目が迫りくる
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長皿を登場させて焼くサンマ厚岸産の上々の型
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