プー子
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宵闇に流るる星星眺めたし わが身可愛や零下の宵は
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年末は忠臣蔵 現代の派閥の忠義の成敗頼む
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添いきての半世紀過ぐ夫に向け嫌煙権をいく度掲ぐ
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ベルベットの手作りツリーを壁に掛け友と作りし日の遠く過ぎ
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帰る息子のテールランプを見送りて次の再会指折りており
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虹のかけら部屋いっぱいに散らばせてサンキャッチャーのプレゼント受く
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ストーブの点火時間が日々増えて灯油リッター107円なり
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幼き日馬草と呼ばれしえん麦を老いて喰む日々オートミールと
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次々とマジック拡げる高齢のマジシャン少したどたどしくて
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長々と療養続く友人を思わぬ日のなく半年がくる
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幼日の夜半のオーロラ見し記憶わかち合う父母・兄姉もすでに
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取り入れのおおかた済みしオホーツクの広がる沃野に丹頂の立つ
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真っ直ぐな亡母の縫い目を解きつつリメイク楽しむ冬の陽だまり
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短歌うたを知り友ができたというなれの庭を詰め込むやさしい包み
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まさびしき初冬の路地の夕暮れに詠草落とす灯下のポスト
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V字描き低く飛び行く白鳥の見ゆる大地の白ひと色に
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夕暮れの雪明かりする帰り道等の町にも降っただろうか
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炊きあがる新嘗祭の朝の飯納豆・佃煮・漬け物・イクラ
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目の前の大雪山の真白きが飛び込んで来いと向かうハイウェイ
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一本の甘めの酒を分け合いて三人で祝う姉の傘寿を
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群れ立ちて落ち穂啄む白鳥の目的の地はあと幾日ぞ
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ハンドルを力を込めて握りしめこの冬初の圧雪道路
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遺されし亡母の長着のリメイクは過去を引き寄せ娘に還る
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移りゆき慣れぬベッドに雨音を兄も聞くらん二日目の夜半
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四時前の落暉を見つむ耳元へ君の病の名ばかり残る
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かの山の羆はそろそろ寝た頃かとんと聞かない出没ニュース
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零れ種助けし夫のルコウ草霜置く朝の窓辺に赤く
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旅先に振り分けられし四人部屋波長揃いて笑い声立つ
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足早な雲は初雪降らすのちひんがしの街目指して急ぐ
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立冬に入るやいなや画面にはバケツ帽子の雪だるま登場
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