プー子
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巡り来る三度目の月「この会の後を頼む」と短いライン置き逝く章子
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幽世へ行きて戻らぬ義兄の日々五十日祭の忍び手捧ぐ
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ひねもすを春の気配をさがしつつ冷え著き夜に豚汁すする
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待ちわびた日向の匂いのバスタオルこの春初めて抱えこむ午後
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春を探しに出かけてみよう いつもより歩いた先にトランプが来る
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春の陽に霧氷散る散る峠道 免許更新ふた山超えて
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青空にネコヤナギの銀よく映えて一枝手折る確かな春を
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「来ましたよ」証拠の足跡雪に置きいつものキツネかいつもの方に
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幾年も陽の目を見ずの十五体今年もひいなの日の巡りきて
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次々と「知らない」「秘書が」厚顔に答えるギイン昭和そのもの
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友達から「終活中で」と数枚の布地届きてあれこれ思案
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青空の広がる午後の心地よく雫たつたつ確かに春の
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リメイクの作務衣着て立つ厨辺で妣に抱かれてごぼうをきざむ
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気怠さは除雪の疲れのんびりと春待つだけの夫婦の誤算
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ひとときも休まずに降る細雪君と出逢いしかの日の午後の
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広がりし雪根開きを覆うらし再びの雪森を鎮める
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十六度の春が来てのち氷点下二十度超えの真冬日続く
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もしかしてマッサージチェアいりませんか近所のママにお下がり強要
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〈骨抜き〉とシール貼られし魚を買い主婦の仕事のまたひとつ減り
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道幅を占拠している雪解水 洗車場には順番の列
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手ずからの化粧水など賜りてオンナを上げての再開約す
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おいそれと春は来ぬとは知りつつも明日のためにと花がらブラウス
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詠草の投函終えて恒例の褒美スィーツ迷わずショコラ
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君の待つ春の便りか遠近おちこちに氷割る音聞こえ来る午後
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晩年に次々病いを得る兄の見舞いもならず孤独は如何に
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夕どきの屋根から雪の落つる音大きく響き春の兆しか
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出先にて不意に舞い来る六つの花黒のコートにくっきりと咲く
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手習いの半紙いく枚試してもくたびれ損かあと一枚か
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真冬日の窓辺へ舞い来る風花のひととき逢いたき師を思わする
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流氷に閉じ込められしシャチの群れ西風だのみの人知の非力
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