Utakata
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赤珠
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梅雨空に 役目を終えし 給水塔 足場組まれて 取り壊し待つ
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白猫を 初めて抱いた 初夏の日に 身体の重さ 予想より上
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さあ雨よ 激しく降れと 叫ぶ夜 我が痛みあり 未だ拭えじ
7
線状の 帯もたらす 水無月雨 激しく降りて 起こる憂鬱
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落馬あり 皐月賞馬は 差し切られ 心止まりし 今年のダービー
2
薫風や 府中に舞いし 牝馬二冠 鞍上呼ぶは 御嬢様と
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何ゆえに シビレガスまき 倒れんと 澤瀉屋の主 まだ逝くなかれ
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まだ五月 されど酷暑の 朝七時 ポロシャツ着た 生徒を見ん
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半袖を 今季初めて 見たりしに 酷暑の予感 未だ拭えじ
2
ならぬもの ならぬと言える 戒めは どこに消えたか 今の我が国
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電気代 上げねばならぬか 物価高 来たる夏に 備えられざり
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寒暖差 寒き昨日と 暑い今日 五月半ばに 来る夏憂う
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黄色声 いと珍しき 明治座で 中休みの 少女らの評
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明治座に もの珍しき 女子生徒 課外授業と 言う初夏に
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天よ何故 能登の大地を 大揺らし 豪雨も呼びて 民を痛めつけ
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連休明け 手元の金を 勘定し 残る二十日の やりくり悩む
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あの人か 背格好似る 前の人 人違いだろ 初夏の街で
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みどりの日 混みすさまじき 山手線 目的の駅 降りられざるに
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草津行き 下り特急 中見ると すべて満席 五月連休
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朝の駅 ホームで香る 日焼け止め 五月であるが 夏遠からじ
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訪れし 春の連休 人は行けれど 我は仕事が 立て込んでおり
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春風が 吹く十年の 時流れ 幼馴染の 早き死を悔う
3
短歌詠む
二十代
(
わかもの
)
多きと 報道に 我も嬉しく 春の中詠む
9
春半ば
死絵
(
しにえ
)
描かれし 役者あり 左團次丈の 軽妙忘れじ
1
美少女と 思った子猫 実は雄 春雨の下 獣医話す
3
黄砂吹く 昔風雅に 歌となり されど今は 有害物質
3
学生時 通い詰めたり ラーメン屋 葉桜の折 閉店を知る
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幼馴染 息子がデビューす 春の日に 我らの現役 残り少なし
2
花散らし 風と雨もて 吹き荒れる 新入生の 前途を見るよに
1
チャトランも どんべえたちも 待ちたりし 常春の地に
畑正憲
(
ムツゴロウ
)
行く
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