赤珠
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連休明け 手元の金を 勘定し 残る二十日の やりくり悩む
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あの人か 背格好似る 前の人 人違いだろ 初夏の街で
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みどりの日 混みすさまじき 山手線 目的の駅 降りられざるに
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草津行き 下り特急 中見ると すべて満席 五月連休
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朝の駅 ホームで香る 日焼け止め 五月であるが 夏遠からじ
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訪れし 春の連休 人は行けれど 我は仕事が 立て込んでおり
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春風が 吹く十年の 時流れ 幼馴染の 早き死を悔う
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短歌詠む 二十代わかもの多きと 報道に 我も嬉しく 春の中詠む
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春半ば 死絵しにえ描かれし 役者あり 左團次丈の 軽妙忘れじ
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美少女と 思った子猫 実は雄 春雨の下 獣医話す
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黄砂吹く 昔風雅に 歌となり されど今は 有害物質
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学生時 通い詰めたり ラーメン屋 葉桜の折 閉店を知る
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幼馴染 息子がデビューす 春の日に 我らの現役 残り少なし
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花散らし 風と雨もて 吹き荒れる 新入生の 前途を見るよに
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チャトランも どんべえたちも 待ちたりし 常春の地に 畑正憲ムツゴロウ行く
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天招く 弥生のついに 旅立ちぬ 世界の教授サカモト 奏では永遠とわ
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屋外で 二人向かいて 飲む酒や 三年ぶりの 春月見かな
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初めての 春雷の音 響きたる うちの子猫は 驚き慌て
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桜雨 ぐずつき五日 寒戻り 彼岸過ぎても 温さ遠しき
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家桜 道路のために 倒れたり あの満開は 最後の華か
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古団地 窓枠取れて 廃墟なりぬ 春の夜中に 最期迎えん 
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快挙なり 春の球宴WBC 日本勝ち 後に続きし 子らを育てよ
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卒アルは 焼いて捨てたり かの高校の 我が人生の 汚点と断じ
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春の駅 袴女子おり その胸に 抱く花束 卒業証書
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羽田行 待つ客多く 持つものは キャリーばかりな 品川の春
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我が心 君と共にと 歌いたる 月影の詩人コールドウェルよ 逝くのは早い
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エビチリと 麻婆ならべ 食す春 建一厨師の 身罷みまかり惜しむ 
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あの人を 思い起せり 弥生の夜 受洗したらば また逢えるか
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月変わり くしゃみ止まらぬ 春弥生 杉の抗体 あるはずなのに
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彼は乗る 銀河鉄道 宇宙そらの果て ことを成し得て 零士旅立つ
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