ひーちゃん
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627
折り鶴に託す願いや病む友の心にたけき力与へよ
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理不尽はうまくかわしてやり過ごす 波風立てぬは老いの才覚
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雨音を聞きつ一日(ひとひ)が過ぎて行く カラスの声の響く夕暮れ
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てのひらにダンゴムシ乗せ遊ぶ子ら 笑みのこぼれて若葉風ゆく
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はつなつの風吹き抜ける土手道を黄色に染めるタンポポモドキ
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風薫る玉ねぎ畑に園児らのヨイショ、ヨイショの可愛(かい)らし声が
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おねえちゃん お父さんに似ていいよね 遠い昔の次女のひとこと
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トンボ来て夏だと思う五月晴れ 孫(こ)の見送りに庭に出ずれば
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遠きより訪ね来し孫(こ)の労いに婆の手料理卓に並べり
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坂の上(へ)の公園に立ち見下ろせば遠き街並みはるか山並み
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学舎で語りし友の訃報受く ツバメ飛び交う空の明るき
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地を叩く夕刻の雨 傘持たぬ孫(こ)が気にかかり空を見上げり
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石垣を縫うように蔓這わす 蔓日々草主人(あるじ)無き家(や)に
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着替えせず寝間着で過ごす初夏の午後 激しき音の天気雨降る
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杖持たず歩の軽し高齢者(ひと)眩しきも一足ごとの風は優しき
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小刀(こがたな)で子等のえんぴつ削る亡母(はは) 夕餉のあとのちゃぶ台の上
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夏立ちて庭の草取り一時間足のしびれを立て直しつつ
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ほきほきと莢(さや)むきつくる豆ご飯 湯気と香りを共に供えり
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やっちゃった クロミビーバーらっきょ味ついやめられず袋は空に
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きらめきて土蔵を覆う蔦若葉運河のなごり水脈々と
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孫(こ)のLINEショウジョウバカマいわかがみタムシバ等々やまの花々
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外まわり草刈り行けばたんぽぽやナガミヒナゲシ愛らしなれど
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風渡る庭に勝手に咲きし花小待宵草マツバウンラン
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畦に沿う清き流れの灌漑路白き花叢オランダガラシ
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子供の日 母に感謝を捧げる日 知るよしもなし幼きころは
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紫蘭揺る雪の立夏の地もありて見える景色は人それぞれと
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向かい家(や)の庭に揺らぎて初夏告げる白きアヤメに赤きシャクヤク
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連休は家人留守にて老い一人 孤食が常もひときわ静か
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初めての土手の傾(なだ)りの赤い花 風が運んだ?ベニバナツメクサ
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光満つツツジの花より大空に飛び立ちゆけり二頭のアゲハ
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