Utakata
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ひーちゃん
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みまかりて三十余年経し夏に初めて訪いぬ
亡父
(
ちち
)
のふるさと
33
愚痴一つこぼす夕暮れ茜空ひぐらしの声みちてくるなり
30
サンゴジュの実の色付きし散歩道雀の遊ぶ涼風の朝
27
あちこちと旅する夢を語りしが君亡き今は夢のまた夢
37
休日は温泉巡り車旅
亡夫
(
きみ
)
と眺めし大夕焼けを
30
涼し朝庭の片隅コガネグモ バッタ捕らわれ糸まかれおり
27
隣家
(
となりや
)
のノウゼンカズラ垣を越え地を這い赤き花咲かせおり/お隣は無人
29
そよぐ風植えた覚えは無いけれど裏庭に咲く白百合の花
34
雨後の径花びら散らす百日紅雲間の陽射し青き実照らす
27
賑やかに盆行事終え静かなる朝のコーヒー香りよ届け
23
仄朱い灯り水面にゆらめいてスターマインに夜空きらめく
20
夕闇の波間漂う灯ろうの仄かな灯り我が想い乗せ
21
戦後っ子貧しき日々もありたれど平和の国に生きる幸運
23
事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
34
帰り来し子等と連れ立ち盆の朝花や水持ち墓前に集う
25
木槿咲く庭に出ずれば陽に光りトンボ舞い来て庭石に降り
24
好物をあれやこれやと購いて盆のしつらえ粛々とする
31
白桃の甘き香りの満つる部屋 丹精込めし友送り来し
34
夜雨の朝庭潤いて涼し風青きつぶら実南天揺るる
22
ブラバンにカチ割り氷アルプスの応援席の日差し懐かし/昔母校の応援に
22
アルバムを開き会話の弾む夜 幼を抱きし若き母おり
24
きょうだいで実家断捨離よみがえる思い出に阻まれはかどらぬ
22
遠い日の記憶を手繰り寄せながら挨拶をするふるさとの夏
31
十年の無沙汰詫びつつ父母の墓 花手向ければ潮風渡る
36
夏旅か笑顔はじける子供らのざわめくホームに一人汽車待つ
30
気遣いて
孫
(
こ
)
が送りくる写メ動画スマホを開く夕風の中
22
欄干に虹の雫の連なりて
傍
(
わき
)
に芙蓉の咲く雨あがり
25
辛い
時代
(
とき
)
を共に歩みし妹にとりどりの花十三回忌
37
蝉の声鳩の声聞く道の辺に待宵草が朝風に揺る
31
アゲハかと見紛うような黒トンボ束の間庭に翅を休める
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