干寝区礼男
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言葉の驚異、それを短歌でなすのなら、短歌を超えた、超短歌といえる

完璧なトマト料理と完璧な卵料理は傘にもなるよ
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赤い月爪で引き裂く母つまり太古の夕陽叫ぶ密林
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真夜中の昼のカナカナ白骨化した指先で首締めにくる
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猿人が初めて歩いた夏の日に蝉はやっぱりミンミン鳴いた
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からっぽで息ができない面白い靴を履くのがせめての抵抗 
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霧雨が海になるまで溢れてる他の誰かの記憶の中で
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父親と母親という始まりに過ぎないけれど墓参りしよう
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なぜだろう君の体温伝わるとこの世の全てのキラキラ止まらない
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ィヤッホーイ明ければ夏の梅雨だから仕事と踊ろうメンタルメンタル
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カミソリの上で舞ってる多幸感それがすべての始まりである
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今君に優しく触れた雨だれは君に会うため生まれたのだよ
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雨の降る世界を窓から覗くときなぜこの世界に生まれたと思う
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月神の声が氷となり胸を満たしてるのにまぶた熱くて
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民主主義よい政治なら国民の誉れとなるが今のこれは恥
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歴史書にこの国民のこの時代記されるだろ衆愚政治と
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世界にはただの愚かな男だがみなの選んだ代表でもある
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先生はユニコーン狩りの時にだけ憐れをかけるハンマー持って
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からまった手足がおしえてくれましたこの思いこそ真夏なのだと
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シャボン玉のプリズム色の球面は動きまわって生きてるようだ
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飛び降りて人差し指をコメカミにそおっとあてて「パァン」といった
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自己愛の檻の外には平凡な人生という冒険がある
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風のないスカスカな眼の存在に読んだ本から阿修羅の宇宙
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思い切り弓を引きしぼり矢を放つ先の見えない風に向かって
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はじまりは終わりでもあり あの初夏は 呪いのようだが過去に過ぎない
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ピョンピョンと小躍りしたくなる日々は いつもグラスの中で逆さま
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冷え切った希望のひびから湧き出でる電気のようなそれは何でしょ?
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あんなにも遠くの空に沁みわたる色で歌った皆の鶯
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今朝菅が外出ダメって言ったから四月二十日はコロナ記念日
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言いかけた言葉が胸に突き刺さる 恋は一種の拷問なので
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ああまただコイツが当選(う)かる選挙区(まち)がある愚かさこそが権力になる
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