干寝区礼男
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言葉の驚異、それを短歌でなすのなら、短歌を超えた、超短歌といえる

うしなった時間の刃ものシンプルに少女ひとりの重さで刺さる
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赤色の端子を刺した剥き出しの脳で美を詠み死を探求す
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キラキラとした目は洟と流れ落ち宇宙をわらう子らと西藏チベット
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砕け散る様は異様に美しく何度も何度も砕いてしまう
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泣き叫ぶように砕けるあの光ともに消えられたならどんな気分か
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真心を込めて愛する何もかも三十一字で守る試み
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最高にイカした上句ができたって? じゃあゴミ箱に捨てる覚悟は?
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木星が間もなく見えてございますスゥパァドラララララララアイ
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ふかふかのコンクリートを爆砕し羊を殺すバストーニュ前
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太宰とか昔の作家の知ってる感、なまなましくも神々しい線
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引き千切るという動作を何処と無くあなたがするとエロく感じる
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沈黙は、厳しい冬か、死のように、貧しい庭で、無を折り畳む
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「輝きたい」ギラついていた白菜が土鍋の底で消し炭となる
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星たちと砂丘をこえる隊商キャラバンの足跡というアンダーライン
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片足で塀の上に爪先立ち、アイスランドはどちらでしょうか
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真っ黒な不意の恐怖に飲み込まれ逆上したのを正義と言うのか?
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隊商キャラバンは土地を持たずに移りゆく空と大地を兄弟として
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冬、母は子供の温もり似た声でかすかに歌う止まる光を
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誰しもが無限の寂しさの中に居ます。王も、小鳥も、好きなその子も。
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※この世には魂などはありません。死んだら終わり、ただそれだけ。
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いばしよなくさまようことがここちよくとうめいなまましんでゆきたい
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『アヴィニョンの娘達』には見えているミルウォーキーの終焉の冬
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ミキサーに粉々にする僕を入れ知らないけれどときどき悲鳴
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寝転んでSNSを斜め見る庭の空から星が笑った
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フリスクの匂いに竹は似合わない月に行くのは悪くない夢
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経済と生の世界が縮小し都会に満ちる帆のアイロニー
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血を乳に変えて体を与られまた血を乳に変えて与える
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病的な宇宙は森の美しい蝶の不幸な鱗粉の跡
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きみは夢 きみは陽光 きみは意志 きみは兆候 そして根源
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馬鹿者の研ぎ澄まされた欲望に怯まされつつ憧れている
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