Utakata
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干寝区礼男
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言葉の驚異、それを短歌でなすのなら、短歌を超えた、超短歌といえる
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地獄極楽ドリブルで抜くそろそろだそろそろだ 武器 武器 曼珠沙華
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土深く、海深くへと潜りゆく、異界の塔の歯車回る
1
生々しい宇宙と死とが駆け巡り孔子の夢はサッパリとして
2
ティッシュペーパーのこの世界から拒否られる少数民族 きみの歯ブラシ
1
青空のしあわせ色の球体は何かを引き裂く力を秘め
3
本当に必要なのは選ばれし勇者ではなく歌う人達
2
「暁の、海老名サービスエリア LOVE」クラゲに彫られた
刺青
(
タトゥー
)
に見惚れ
1
やわらかく脆いものだけあつめたら世界でしたよ今日は寒いね
6
少しずつ高く遠くへ去る雲を巨人のようなビルと見送る
2
モニターで重油にもがく海鳥の海ここもあり狂うまであり
4
午前2時ねむりゆく闇やすらかにタールの夢と戯れる
人生
(
とき
)
3
運動会うすぼんやりと太鼓の音さまよう雲を眺めて過ごす
4
悲しみはオセロのように灰色の空とあなたは真冬並みです
2
柔らかく秋の日差しの射している手に何も無くただ怒り湧く
2
歌うたい働き歌い働いて畑や空で歌った祖父母
2
真っ直ぐな気骨を秋に 一本の香りを遺す宇宙と化して
3
閉じた目に二つ分裂した
ID
(
イド
)
がぷるぷる震えロシア旅立つ
3
久々の星降る夜にただひとり人工呼吸器カップヌードル
5
ホームレスみたいに冬をうたいたい月と誇りと自由の心で
3
こおろぎのオレが籠から水槽に籠をしずめる俺を見ている
3
真夜中のケンタッキーは
靄
(
もや
)
の中 ホムンクルスがハンマー投げする
2
緑林のギャルは宇宙のメル友でSNSは黄河の流れ
6
「巫山戯るな」「悪趣味な奴」「冒瀆だ」優美な鳥の籠の中から
5
ひたひたと雨の降る日は声だけが響き寂しい海月になりたい
4
赤の月、青の煙の、一族の、凍える目から冬が生まれる
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さらば地球アインシュタインタンジェント月天心にいたる角度で
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この街の道から少し浮遊したあるいは気化した
球
(
まる
)
い絶望
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青と白マーブル柄のスニーカー 少年少女はショパンの「ショ」
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汗ばんで可愛くないと思うからかえって発想が北斗七星
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空が澄みキレイな光ふりそそぐキラキラとしたトリガーを引く
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