干寝区礼男
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言葉の驚異、それを短歌でなすのなら、短歌を超えた、超短歌といえる

モクモクと絡み合いつつ湧きあがる白い雲から生まれたとです
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るさいなぁすいませんてば夏だから許されるわけねえじゃんか、空
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春の死の深く染む手は六月の桜の幹から脳に喰い込む
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瞼越し春の光を贖罪にあるいは罰としての沈黙
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魚の群れが押し寄せるように笑顔で揉みくちゃにする
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心から旅に酒にとランナウェイしゃらんしゃららん月夜が好きさ
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古ぼけた真っ暗闇に目を凝らすいつかは死ぬと分かっているから
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透明な時の流れの中にいて魚のように泳ぐきみ何?
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眠れない思いの河に網投げて恋しい人を捕まえましょう
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美しく残酷というより世界には穢らわしいがしっくりとする
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レトルトを温めながら空を見る世界が変わるそりゃすげーなと
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熱帯夜がまとわりついて繭のよう重たい羽を折りたたんでいる
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いつの日か誰かをキミも好きになる不思議に思う父の七夕
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はてしない夏が始まるかのようにあの青い空に告白をする
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ハフハフとただハフハフとひたむきに道路を食べるきみの散歩は
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排気音どこか遠くの聴きながら世界の果てに気が遠くなる
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タンタムトタンタムトントタムトント恵みの音を惜しげなく雨
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ベタ海を灼く朝焼けはギリシアの女神のように絵に嫉妬する
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植物と小声で話すいい日和とても背中が嬉しそうです
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少しずつ少しずつ髪切ってゆく怒っていいから少し笑って
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寄りかかり合って眠りに堕ちるとき世界はとても平和になった
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誰よりも君と長く居たいから冷たい雨と空虚になった
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アフリカで話すときには抱きしめるように話せと老人がいう
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真夜中の閑散とした国道は苦しいほどにエロティックなの
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殺傷力高めの言葉を振るうのは暴漢罪に問われはせぬか
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歪みとは愛するものという娘 矯正すべきと譲らない母
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囀りと木々の香りと冬の日のきれいなひかりの中を行く朝
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しげしげと見れば拷問器具として真っ赤なそれを戴くお菓子
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逞しい涙みたいに温かな雨ばかりふる羨ましい夜
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抱かれつつ幸せそうに犬が言う「つまらん時代に生れたものだ」
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