屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
https://rara.jp/zappai/

風よりも過ぐる日数をとどめなむ勿来の関の花の吹雪に
2
高砂の盛りの花に風吹けば尾上の松にかかる白雪
4
吉野山峰の桜の散るときは谷の枯れ木に花咲きにけり
4
麓には雲とや見らむわが庵に雪とのみふる峰の桜を
3
散り果てぬ間にとさまよふ山の端の月にあまぎる花の白雪
5
花筵敷ける山路に旅寝して霞の衣たちや重ねむ
2
大井川水面みのもに消えぬ白雪は嵐の山の桜なりけり
3
咲きなばと契りし人はつれなくて花をあるじと訪ふ嵐かな
5
散らぬ間に人の訪へかしわが宿の桜の枝に風は吹きつつ
3
七夕に宿かりころも日も暮れぬ花の吹雪の天野川風
3
宇治川に流るる花を澪としてさす手も香る春の柴舟
4
浦風の花の梢に通ひ来て空に波立つ志賀の山越
5
今年また桜の下に共に見し人の面影懐かしむかな
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春はただこの一時の名なりけり桜に浮かれ惑ふ夢の間
4
恋ひしくは来たれわが妻九段なる桜の枝に咲きて迎へむ
3
見ぬ峰の桜をいかで尋ねまし道しるべせよ春の山風
6
斧の柄の朽つるも知らで眺めまし散らずは花の山の杣人
4
咲き続く花の梢や初瀬より吉野に渡す雲の架け橋
3
霞めども照りこそ増され山のに桜を分けて出づる月影
4
柴負ひて山路を下る里人のしばし憩へる花の下陰
5
行き暮れば一夜宿貸せ桜花誰がゆゑ入りて惑ふ山路ぞ
3
花に明けて花に暮れぬる吉野山明日はいづれの峰を尋ねむ
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春の織る錦か花と青柳の葛城かづらき山に雲立つなゆめ
4
高間山空さへ匂ふ佐保姫の花かづらきの峰の春風
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桜咲く比良の山颪やまおろし吹きにけり釣りする海人の袖香るまで
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群鳥むらどりの間近き声に目覚むれば日はなほ高し花の下陰
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誰かまた昔長等ながらに眺むらむ荒れし都の滋賀の花園
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白妙の領巾ひれかとぞ見る遠つ人松浦の山の花の曙
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桜色の折られぬ水に棹さして幾里下る春の舟唄
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みささぎは霞の奥にうづもれて花ぞ吉野のしるしなりける
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