屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
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この里に幾世の春を送りぬと問へど答へぬ井手の山吹
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七重八重花咲く井手の山吹を都の人もとへとこそ思へ
2
宿とせる青葉隠れの遅桜鳴きて知らせよ深山鴬
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雪とのみふりし都に春暮れてまたうらさぶる志賀の花園
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散る花はまた来む春を契れども見つるわれこそ明日も知られね
4
雁がねは常世の国へ帰るなり花のゆくへを知る人ぞなき
2
散ればまた見むため惜しき命かな花ゆゑ入りし山ならねども
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ちりかかる花の鏡の芥川曇らぬ影もうつろひにけり
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色も香もこの世にたぐふものかはと風の情けや花散らすらむ
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もろともにわれを誘ひて散れや花憂き世に何を思ひ残さむ
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花散ればさらに思ひは増鏡面影遠し春逝きし人
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改心しマトモな短歌作ること誓約します。四月一日
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吹き返す花の盛の明日香風采女の袖や香らせにけむ
3
幾世経ぬ奈良の都の八重桜落ちこそ積もれ礎の上に
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花染の衣着ぬ人なかりけり嵐の山に桜狩りして
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いさぎよく散るこそ桜もののふの八十宇治川をうづむ花びら
4
山づとに折ればかつ散る桜花さらば眺めむ風にまかせて
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山守はよし咎むとも来ぬ人のためにと折らむ桜一枝
3
帯にせる細谷川を春ごとに花に染めなす吉備の中山
3
網代木にしばしいさよふ花筏また押し流す宇治の川浪
5
風よりも過ぐる日数をとどめなむ勿来の関の花の吹雪に
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高砂の盛りの花に風吹けば尾上の松にかかる白雪
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吉野山峰の桜の散るときは谷の枯れ木に花咲きにけり
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麓には雲とや見らむわが庵に雪とのみふる峰の桜を
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散り果てぬ間にとさまよふ山の端の月にあまぎる花の白雪
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花筵敷ける山路に旅寝して霞の衣たちや重ねむ
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大井川水面みのもに消えぬ白雪は嵐の山の桜なりけり
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咲きなばと契りし人はつれなくて花をあるじと訪ふ嵐かな
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散らぬ間に人の訪へかしわが宿の桜の枝に風は吹きつつ
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七夕に宿かりころも日も暮れぬ花の吹雪の天野川風
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