Utakata
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赤月 宙
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取り返しつかないようにするために 下書きもせず恋文を書く
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チョコケーキ しずかに降った粉砂糖 冬の山地を思い出します
2
恋はいつ 覚めるのでしょうか あの人が〝人間〞なのだと気づいた日から
2
きっと今 あなたを救うためだけに 地獄の底を 生きてきたんだ
5
(救いたい) そう願ったりしなければ こんな身体にならずにすんだ
1
君がそう ここから這い出せるのならば 僕は進んで踏みにじられよう
1
真実にたどり着いたとしてもだよ もう遅いのよ、名探偵君?
2
あなたから 何かを搾取できるほど お姫様には生まれてないので
2
こんな日は 手を洗うしかしようがない 古びたタオルも乾きやしない
2
同じように 炎にくべられたとしても 君のようにはなれないからね?
1
ひたすらに 横顔きれいな人でした 僕はそれしか知らなかったけど
2
港町 すてきな焼き菓子 並ぶ店 わたしはきっと 辿り着けぬが
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僕などが 声を枯らして叫んでも きっと傷ひとつつけられぬだろう
5
世界とを 隔てるマスクに隠された 生まれたばかりの
碧
(
あお
)
の口紅
3
どれだけの 思いが込められてるかなど 意にも解さず 風船は飛ぶ
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“君でしか 出来ないことなど 何もない” 僕が欠けても 世界は、回る
1
夕陽から 生まれた異物に食らわせるために作った言葉のサラダ
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「雨だから 雨のサングリア作ったの」 と先ほど姉が呼びに来ました。
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『好き』という お気持ちだけで生きてける そういう虫に生まれたかった
2
君たちは何ものでもなく透明であると証明するための闇
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そんなにも きれいな石の指環でさぁ ぶん殴られたら、好きになっちゃう
2
青ばかり 見つめているから君の目は……君の目は、うん、その、綺麗だな……
2
上の句は なんか眠いって言ってます。下の句は ちょっと夏季休暇っすね。
1
ストライプ柄の便箋に書かれた 文字から香るセロリの匂い
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お互いに刺さったナイフを抜き合おう パッフェルベルのカノンの中で
4
「何をした」? 僕のバットでこの苺 フルスイング、しただけですが?
5
切り分けた 果実の片方というよりは 書店の爆弾のような君だ
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しくじった 全身全霊かけてまで 君を愛するつもりはなかった
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宝石を 覗き込んでるつもりでいた 澱んだ部分に 映り込んでた
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いつの日か 君の名を消すためだけに リセットされる予測変換
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