Utakata
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赤月 宙
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熱に浮かされて見ていた夕時の まどろみの夢のような音色だ
3
パンプスは いけない、どんなに愛しても 磨り減ってゆく (あなたのように)
3
灰色の 夜道でひそかに 勇気無き 案山子が売ってた 甘いチーズ
2
一区画 向こうの高速道路から 走るラジオの気配がする夜
5
君の声に 救われるひとが 数多いる だからわたしは 言葉を紡ぐ
3
体内が きれいながらんどうなので 少しの紅茶が ころころと鳴る
6
手に届く 五分の一の星空を 軽く越えてく君を知ってる
3
丁寧に 折り畳まれた 悲しみが 湿気を吸って、ふっ、と開いた
12
アメリカの西海岸で泣いた子の 声が日付をまたいで届く
2
つまらない女ですのでわたくしは きみの微笑みひとつで幸福
2
憎しみに すがって生きる兵士には あの歌姫が女神に見えた
2
世紀末 世界が滅びなかったので ぶっちゃけあとは余生かなって
1
春だね、と いつか貴方と笑いたい おんなじ春は もう来ない、ので
4
君の名を 聞くたび生まれ変わるから 今日もわたしの 誕生日です
2
あの空を 見上げて死ねる ふさわしい 資格があるか、自信がなくて
1
3分間 あればいいです 辞世の句 詠むので少々お時間ください
5
控えめな 低い位置から ピースする 世界平和を 願うひとゆえ
1
しあわせも 一番上の棚にあり ぼた餅みたいに 落ちてはこない
1
これからも 傷つきながら 生きるだろう なんて綺麗事 掃いて捨てたい
3
僕に腕をつけてくれて、ありがとう 僕を人にしてくれて、ありがと
2
美しいひとや物だけ見ていたい だから鏡は のぞきたくない
3
心って どこに宿るの? その身体 削いでいったらそのうちわかる?
4
僕という 人間がいかに しょうもないという事実を思い知る、
術
(
すべ
)
1
醜くて ぞっとするほど おぞましい そういう恋をしていましたね
2
真昼間に うまく組み立てられなんだ 言葉が夜にパズルに変わる
1
何もかも 忘れるために 飲まされた キルシュ入りのチョコとコーヒー
1
踏みにじれ 花も踏まない 君だからこそ、今僕を ただ、踏みにじれ
3
神様も 星にも願わなかったのに 君は叶えてしまうのですね
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言葉から 君は生まれてきたのだから 言葉で死んでいかなきゃだめだ
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この胸に 貴方が水をくれたから これは枯れない花になったの。
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