Utakata
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赤月 宙
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あのひとを 救うためには この闇に 僕は迷わず 飛び込まなくては
1
「なんだ赤ずきんじゃないのか」 そう言って 僕を投げ捨て 帰る狼
2
『感情は 人身事故の影響で 約
10
分の遅れとなります。』
3
僕はただ 麦や野花を踏みつけてまで飛びたいと 思えないから
4
〝叫び〞らを 吹き出す場所が 見当たらず 指からしかない、痛い、つらい
1
わたしには こんなものしかないです、と オートミールを ざらざら降らす
4
君がその 両手を振ってくれたから 僕はちいさな 鳥になれたよ
3
卵白が 多く入った玉子焼き どっちが食べるって話じゃない?
1
めくるのも 千切るのも嫌で カレンダーを 使いこなせた 試しがなくて
1
〝かなしみに 墓をつくってやったのが この海なのさ〞 くらげは言った
4
胸の奥 しがみついてるかさぶたを いともたやすく 剥いでゆく 君
3
この文字は やがて四次元に進化し 見てな 新たな宇宙を造る
3
永遠の 傷をつくって 去ってった 世界を
寿
(
ことほ
)
ぐための祝詞
2
(空白は 君が手ずから埋めてくれ) 生きてくうちに 朽ちて崩れた
3
今日という日は遠い未来、振り返り 懐かしむために あるんじゃないのに
2
僕はもう おおよそ病人の気持ちで 布団、あるいは 夢から出れない
4
やわらかい バニラアイスのような笑み どうしようか、舐めると甘い
5
G
ペンで 腕に思いを刻もうか (
G
ペンの
G
は重力の
G
)
3
遠い地の あなたへ思いを 飛ばすのを お許しくださる 空の神様
4
「君はここにいてもいいよ」 の宣託を 探し続けて迷子になった
2
「ライブ
T
推しと僕らの ペアルック」 「ペアではないね、いっぱいいるね」
2
背表紙に 映る貴方の まなざしは 電子書籍じゃ 出逢えなかった
3
いつもなら 二口で食べる ミニあんぱん ちまちま五口に分け食べる(※恋)
2
灰色の 冷たい空に 染み入って ぼやけた牡丹色のマフラー
2
瑠璃色の ニットを深くかぶっても 太刀打ちできぬ 深遠の森
2
あの石に 戻りたいから 今日も僕は 琥珀色のコートを羽織る
2
僕たちが 生まれた場所に 帰ろうか クリームソーダのグラスの中へ
1
今後はもう 星占いをふたりぶん チェックすることもないのでしょうね
4
流星を 君に差し上げるとしても このトゲトゲは、取っておきたい
3
尽くしても 届かぬ
文
(
ふみ
)
や 思いなら この心臓など つぶれてしまえ
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