Utakata
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赤月 宙
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そう、君は『わかってしまう』人なのだと いやがおうにも『わかって』しまう
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あたたかいピアノの和音が鳴り響く (これがわたしのレクイエムです)
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歌えてたはずだった歌を閉ざされて ただじっと聞く明け方の蝉
2
〝僕よりも〞君の言葉がからみつき 他の誰かの手をつかめない
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青色のリップを塗った でもきっと 君は気づかぬままでしょうね
2
報われたい などと思うなお前など 救いの歌のことは忘れろ
3
なにもかも投げ出したくておもむろに焼き菓子の店をフォローしてみる
2
君の手が世界に触れた それだけでいまを愛せるような気がした
2
君の目を癒せなければ文字なんか ひねもす紡ぐ意味などないのに
2
渓谷のどこかで僕が朽ちる時 君はきれいな花を咲かせる
2
責任を問う気はないが、だとしても 僕を歌人にしたのは君だろ
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リフレイン 秋の窓辺に風が差す 〝どうしてわたしばっかりが、ねえ〞
1
「しあわせは歩いてこない」 かと言って もう立ち上がれもしないわたしは
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一晩中 かけてようやく 吐き出した あの日の音と 過呼吸(不安)
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こんなにも 安い言葉に 騙される 地獄行きより 安い駄賃で
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ぼくの中 渦巻く
詩
(
うた
)
や 言葉らが この血とともに 消えますように
2
無理やりに 抜いてしまうと 大量の血が吹き出すので そのまんまです
1
「少しだけ 立ち止まってもいい」 と言う ちがうよ歩く、少しゆっくり
2
君だけが 見つけられない この歌を 森に隠した 君への歌を
1
あまりにも 育ちが悪いものでして 地獄を見ると心が踊る
2
死ぬために 生きてんだろな 葬儀中 行き交う札束 白い封筒
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もう僕は 帰れないかもしれないと 枯れたシーツに置いた指先
3
雨音と シャワーの音に照らされて 丸い光が 涙を流す
1
結局は 人はいつかはしあわせになる、と言いきる 君がまぶしい
7
泣き叫ぶこともできずに 僕だけが 僕の死体と 死んでゆく部屋
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幸せに なってもいいか わからずに その引き金を 引けないでいる
2
君は〝ない〞 流行りの眼鏡をかけてない 髪を巻かない もう笑わない
2
歪だと 思うか 君は あの月を だから僕らは 目が離せない
2
今日、僕は 人を辞めると決めたので 手始めにまず おさげを切った
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人よりも 何も優れていなくても 「やさしい」 だけで 生きていさせて
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