赤月 宙
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雑踏で黙ったままの嘴に 茨が巻いて薔薇の囀ずる
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うだうだと つぶやくように紡がれて 弦も頁も るらるら跳ねる
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晴れの日に君が笑って歌うとき 僕は遠くで、少しさみしい。
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八月の そうだあの日も 八月の 暑い日だった 君が死んでた
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ケイトウの花の中には君がいて 紅くひそかに笑ってるんだ
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片手間に皆が貴方を傷つけて アイスがゆるく溶けていく様
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やわらかく笑う貴方が意志を持ち突き付けてきた あの日のやいば
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動かない私の首にかけてほしい 星の名前のついた宝石
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なぜ生きているのだろうか こんな日を あなたのいない 白い世界で
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失ってゆくのだろうな ざらざらと 痩せた身体と砂浜の城
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君の歌を知らない間 どうやって 生きていたのか思い出せない
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もういちど もういちどあと もういちど もう一度だけ 断罪してくれ
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どうせ今死にゆくならば 抗わず (あの時死んでおけばよかった)
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僕はひどく 身体が弱くかと言って 美人でもなく 詩人でもなく
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僕ですら知らない僕の所在地を この世でひとり 君だけが知る
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少しずつ恋の魔法が解けてきて 心の奥にただ花の咲く
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もう一度 生まれ直せと言う彼の まぼろしのそばで泣いていました
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過去なんか振り返りたくないんだよ 「そうはいくか」と リレキショのやつ
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にんげんがこわい、と嘆く君の手に そっとざくろの飴を差し出す
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風鈴も鳴らない夏に今きみは 元気だろうかと空を見つめる
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弱ければ傷を負わされ より弱り 窓の縁から刺さる青空
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そう、君は『わかってしまう』人なのだと いやがおうにも『わかって』しまう
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あたたかいピアノの和音が鳴り響く (これがわたしのレクイエムです)
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歌えてたはずだった歌を閉ざされて ただじっと聞く明け方の蝉
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〝僕よりも〞君の言葉がからみつき 他の誰かの手をつかめない
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青色のリップを塗った でもきっと 君は気づかぬままでしょうね
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報われたい などと思うなお前など 救いの歌のことは忘れろ
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なにもかも投げ出したくておもむろに焼き菓子の店をフォローしてみる
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君の手が世界に触れた それだけでいまを愛せるような気がした
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君の目を癒せなければ文字なんか ひねもす紡ぐ意味などないのに
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