Utakata
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赤月 宙
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大好きな絵に閉じ込められるのなら わりと素敵な最後じゃないかな
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手のひらも やがて腕まで腐っても あなたの無事をただ祈ってる
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不安げに 所在なさげに佇んで なおやわらかく微笑む 君だ
1
春だね、と いつかあなたと笑いたい それぞれ生きると決めた場所で
5
つらくとも 見届けなくては 彼がこの先に進むであろう未来を
1
君がしあわせでいることで幸せになれる人らに混じりたかった
5
空虚など気付かなかった すれ違いざまにあなたが微笑むまでは
1
どちらかというと適合しないほう 社会と呼ばれるこのケースでは
1
生きるのに 値しないのではないか 六文銭にも満たぬこの身は
2
詩人らが やわかい心で生きてける やわかい世界であったらいいのに
2
遠い地の どうかあのこのそばにいき あのこを抱き締めてやってください
1
もうこれで 終わりにしようと思ってた 君の笑顔に出逢えるまでは
3
つらい って言葉にしたら、ああ、だめだ 栓が外れて濁流となる
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いじわるは したくないのに君の口元が踊ると胸がざわつく
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痛みなら まだ耐えられた つらいのは それが僕だけだっていうこと
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できるなら さいごに彼におてがみを つづるじかんがほしかったです
3
お徳用サイズの美白化粧水 涙と一緒に塗りたくる朝
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美しい物語らが連なって 私を生かし 殺そうとする
3
いやだなあ ひとを好きに、なりたいなあ (こんな分厚い壁の中では)
2
君は日々 日々美しさを更新し 僕はひなたで枯れゆくままで
1
心など熔けて無くなれ 籠の中 朽ちて詰まった臓腑とともに
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失って 失って失ってなお まだ失えるものがあるとは
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君の手が世界を紡いでいる間 わたしはどこで踊ってればいい?
1
念入りに殺し続けておくのには 僕の心は活きがよすぎる
2
君だけのぬいぐるみだったこの僕に 人の身体はひどく空虚で
1
あの頃の 王子、姫らを葬って 「ごめんなさい」 と ただ泣きながら
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まだ僕は傷つき続けているんだな あの日刺さった笑顔と刺に
1
何もかもが いやになった そのときに 心に息吹く花の子であれ
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左手の薬指ではなくっても きみの指輪に心が軋んで
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人間がこわい ちがうなほんとうに おそろしいのは自分のこころ
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