Utakata
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赤月 宙
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僕だけが生き延びていて 僕だけが君が幽霊だって知ってる
3
自らの意志で殺した 己自身 互いにそっと花を手向ける
4
今 僕は あなたのために何をするべきか悩んで、ただパンを焼く
5
首もとを かっ切るだけの意志もなく ぷち、と裂かれる
魚肉
(
ぎょに
)
ソの金具
1
笹舟も やがて海へと辿り着く 願って歌を歌い続ける
2
“あるがままを受け入れてくれ” 彼は言い 僕も笑って 刀を抜いた
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この先に 夢も希望もないけれど ただ静けさと 草の香があり
1
君の為つけたピアスを揺らしても なぜか寂しくなるだけなので
1
私らは幸せなのよ、と主張するために焼かれる紅いメレンゲ
1
何者かになろうとしなくていいんだよ 生きてるだけで あなたなんだよ
2
優しさにただただ甘えて生かされる 何もないのは僕でしかない
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あまりにも 生き辛かろう あまりにも やわかい肌で やわかい瞳で
0
溺死してしまわぬようにこの歌を この言葉らを書き出さなくては
0
この声も誰にも届かないならば この身体などばらばらになれ
1
抱き締めてあげたいと思う人なんか この先出逢うと思えないから
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「ぼくだって 誰かを信じてねむりたい」 それが叶わぬ、怪獣の子よ
1
似てるけど やはり違う、ということが 彼のこころをばらばらにする
0
生きているだけでほんとはえらいけど 撃たねばならない 打たねばならない
2
両耳を切ったところでゴッホには なれはしないし 気も狂えない
7
糸が切れ海で歌っている姫の 元へたどり着けない人形
0
ぜつぼうが そっと瞳を閉ざしてく 「眠っておいで」 あの声がした
2
愛される可能性すらないのなら この生え際も無意味なだけよ
0
雑踏で黙ったままの嘴に 茨が巻いて薔薇の囀ずる
1
うだうだと つぶやくように紡がれて 弦も頁も るらるら跳ねる
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晴れの日に君が笑って歌うとき 僕は遠くで、少しさみしい。
1
八月の そうだあの日も 八月の 暑い日だった 君が死んでた
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ケイトウの花の中には君がいて 紅くひそかに笑ってるんだ
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片手間に皆が貴方を傷つけて アイスがゆるく溶けていく様
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やわらかく笑う貴方が意志を持ち突き付けてきた あの日の
刃
(
やいば
)
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動かない私の首にかけてほしい 星の名前のついた宝石
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