まるや
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日常短歌と創作三国志短歌

きみからの返信が途絶え二週間スマホを捨ててみる 拾ってくる
4
伝えたいことばが互いに押し合って出口が塞がる きみは去りゆく
6
きみにだけ教えてあげるねドーナツの穴をつくってる工場の場所
7
だれよりもはしゃぐあの人は一滴も呑んではいないただ聡いだけ
7
玉子とじした人魚の肉あなたにも食べさせたいな 食べさせなければ
4
週末の誘いを蹴って立て籠もるきみとふたりの六畳一間
5
午前二時 町にひかりの雨が降りきみと逃げ込む唯一のコンビニ
8
だれよりも清く正しいひとだった 白い絵の具は最初になくなる
10
嬉しかった はじめて触れたきみの手がおんなじくらいかさついていて
5
ひかりあれただ一滴の目薬で未来はあかるい眼底検査
6
遅咲きも早咲きもないそれぞれが好みの空を見定めてるだけ
7
テナントのひとつひとつが匿った春のスカートは亡国の姉妹
4
もう二度と目覚めたくない きみがいる世界の時間をすすめたくない
4
永遠に掘り起こさないで あの石の本当の色をたしかめたくない
4
散り落ちたばらの花びらをあつめてもばらにはならない 破かれたチュチュ
5
絵葉書の中にしかないふるさとを土産として売るサービスエリア
10
気付いてた前を行くぼくの背に向けてあなたが舌を出していたこと
6
休み明け急に大人びたえみちゃんの肩になんかのつぼみがついてる
7
きみたちはなないろの種 列を成し未来をつめたランドセルがゆく
11
年老いたいぬとならんで横になり声をきいてる ちゃんときこえる
7
これまではあなたに手渡しできたのに「書類はすべてpdfで」
9
きみはいま改札のない駅を発つ景色になってく一両編成
10
思い出を踏みにじりたくてできるだけドラマチックな別れを演じた
3
元カレとその恋人と妹と今の彼氏が相席してる
2
赤ピンクむらさきの傘が埋めつくす夢のような国、夢で会ったきみ
6
おとなりは揚げ物らしい忍び込む匂いに屈さず飲むスムージー
8
未練ごと断ち切った髪が散らばってサロンの床は呪いで満ちる
10
流星は夜行列車 叶わないねがいが肩を寄せ合い眠る
8
金曜日彼女らしくない失策で矜持の黒が目尻に滲む
2
どの町も交替制で夜が来て孤独のノルマを引き受けている
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