まるや
0
19
投稿数
552

日常短歌と創作三国志短歌

電球の替え方なんて知らなくてまだ暗いままのあなたがいた部屋
8
泣かないで かがやく昼の庭を降り夜の玉座をえらんだ月よ
6
桜 ただそこで咲いててそれだけできみと別れる口実になる
3
先送りしてきたきみの泣き顔が呪いに変わる決別のメール
2
しあわせは小さくなってく石鹼がひきかえに生むふたりぶんの泡
4
画用紙にならべて貼った紅い葉がぼくらの背を押す秋の教室
4
天国の門は見えない加速する呼吸にどれだけ急かされようと
6
雨の日も花柄のワンピ纏うひとなまえは春子アタシの親友
7
届かない高さにあったトースター母の想いとつめたい食パン
9
前の車を追ってくださいどこか遠くへ導け県外ナンバー
4
昨晩の名残を拭う春の風ざらつくシーツが終わりを告げる
4
勤務医の胸ポケットからはみ出した三色ペンの折れたクリップ
4
ごろ寝する大きな背中が呼び覚ます三歩後ろを追いかけた日々
8
すずめの声 夜明けとともに夏は往く答え合わせが終わってないのに
6
ずれていく公転軌道に気付けずにぬるくなってたぼくを焼く熱
6
あの頃のきみの笑顔と重なってエイの展示に集中できない
8
休暇明け無人となった病室はきみの名残も漂白されて
10
凪いでゆく波間に石を投げるようにきみの名を呼ぶ まだ生きている
9
先週とおなじ下着のきみが棲むWi-Fi不通のぼくの1K
4
吸って吐くぼくらが生きる過程ごと調和していくアンサンブル
4
届かない祈り それでも縋るように毎朝響く社訓の唱和
4
もうすこし一緒にいさせて太陽よまだ行かないでぼくらを見てて
2
窓越しにいぬのふたつの耳が揺れ北風のつよさ知らせてくれる
14
ひとびとが呼吸を思い出すまでの終演直後の一瞬の闇
8
日陰から伸ばしたきみのてのひらが焼けた歩道に花を咲かせる
6
あふれだす甘いかおりのしあわせに汚されていく頬や指や肘
8
人が逝き星になるなら流星のかけらが花になりまた廻る
8
やむを得ずヤカンに活けたひまわりが首を傾げて遺憾を示す
15
雨と雪、やさしい日差し、第六感 空から降るのはそれだけでいい
9
燃え落ちた昼の残骸を貪って夜空はかがやく月を孕んだ
10