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まるや
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日常短歌と創作三国志短歌
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たぶん夢とか希望とか詰めたはず 缶切りはきのう捨てたんだけど
8
月のない闇に消え入る細い声きみは南の窓にて磔刑
9
便りなきけわしい顔の旧友が「うらぎりもの」とわれを指す夢
12
木漏れ日のスポットライト 庭先にぺったり伏せて眠たげないぬ
14
曖昧に笑う私を通過して皆は駆け去るゆめのなかでも
8
小刻みにふるえるいぬの吐く息が舞い散る雪とすれ違ってく
14
泥泥に溶けてゆくぼくの手がきみの頬を汚してああ おんなじだ
5
今日の日はぼくにとっても祝いの日きみに連絡する理由がある
9
なないろのことばの種が芽吹くまでパフェグラスの底まあるい寝床
7
いまはもうわたししかいない病室でリフレインするあなたのリズム
11
ため息を濾過して放つリコーダーたのしい曲もかなしい曲も
12
洗われたいぬの背中のとげとげをひとつずつ開きふわふわの支度
11
いぬのあの耳のつけねのふわふわを味わいつくす指の幸運
15
染み付いた所作に気が付くそのたびに忘れたはずのあなたが笑う
13
まだ少し腫れたまぶたに落ちる雪恋をするとはこういうことか
12
星になれないまま尽きた願いたち胸に溜まって息ができない
7
瞬間を積み重ねコマ撮りにしたものを束ねて人生と呼ぶ
11
ストーブに寄るいぬの背はきつねいろ短い春を待ち侘びている
18
群衆をつらぬき光るきみの目にはじまりの予感が胸を衝く
15
うつむいた女神をきっと微笑ませるぼくが持ち得るすべての愛で
9
黄昏のガウンを纏ったきみの手が抱き上げあやす月のあかちゃん
7
ほしいものリストにないものばかり手に入りもうピアノは置けない
5
舞い上がる風を起こすよきみが捨てぼくがあつめた羽根の扇子で
7
この部屋でなくした夢を掘り起こす これは学生生活の化石
8
はじまりのひかりを招く大任を果たし誇らしげな昼の窓
6
積み上げた過去がわたしをつくるなら 尖った氷の上でため息
8
きみの目がゆらめく緋色を反射して秘めた想いが溢れこぼれる
10
くらやみにひしめく星は血走ってわたしの罪をつまびらかにする
7
あの時と同じ場所から街を見るきみが濾過したひかりをあびて
8
とおき日の忌むべき記憶は繋がれるママの寝物語に隠して
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