Utakata
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日常短歌と創作三国志短歌
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「きみが好き」そっとひとみは逸らされたちいさな嘘をつくときの癖
9
入念におめかしキメてスタンバイ踏み出す合図はきみの返信
12
はじめてのおとなサイズの浴衣着てぼんぼりが照らすおそとのお風呂
10
恋をするあの子のうつくしいひとみ絶望を知る海溝の黒
5
磨いては零して汚しまた磨くいたちごっこが生きてるあかし
4
不器用なきみはわたしのてのひらに頭を押しつけ甘える合図
9
気温とは裏腹にさむい宵の口かすむ視界にもういないいぬ
6
くらやみにきみが残したひかりの尾わたしをみちびくかすかな背中
8
光線にきみのまつ毛がまたたいて世界を駆ける虹色の風
5
膝のうえ冬の陽気にまどろんだおひげ弾けばむあと鳴くいぬ
13
わたしさえ気づいていないわたしたち重なりあってわたしのかたち
8
ひと冬の思い出残し去るきみを溶かせなかったわたしの温度
12
キッチンにきみの薫りの置きみやげ庭に撒いては鳩を待ってる
11
午前5時地下にならんだ在庫からきみが運んでくる夜明け色
11
背伸びしたよそゆきヒール高らかにまだ泣かないで左の小指
13
夜は逝くすべての嘘を引き連れてきみのシリウス撃ち落としても
11
ふさがらぬ風穴を空けたあなたの灰が咲かせたアネモネの花
7
天井の向こうにひでき大学生モールスじみた土曜のスヌーズ
5
血も星も呪いも持たぬわたしたち繋ぐ手だけが家族のあかし
6
午後三時通り魔的に投げられた下品なキスであたしは目覚めた
5
ぼくを真夜中の砂場に縫い止めるあの満月ときみが産む影
7
剥ぎ取ったカーテンを纏い光線の下で踊るわ身を焼かれても
5
はじまりもおわりも同じよぞら色わたしを抱くカシミヤのコート
10
待ちわびた足音ひびく廊下にも等しく下りる今日の日の幕
9
故郷より流行り病の報せあり閉じ籠もりきりひとり聴く鐘
13
みずうみに揺れるふねから手を振ったなみに消えゆくみかづきのふね
13
昇りくる朝日をはじく軽トラと佇む父とたばこの煙
12
駆けまわるこいぬの姿ふいに消えしっぽ飛び出す大根の穴
7
くらやみにざわりと濡れる手の甲で気付く存在いぬのぬるい息
8
まばたきを知らぬまなこで蔑んでふわふわの足で踏んで裁いて
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