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まるや
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日常短歌と創作三国志短歌
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狡猾にしゅるりふところ入り込む人懐っこさ親子三代
11
きらめきの黒きやいばに貫かれ焦げたにおいのわが心の臓
7
絶景に視線縛られ甘き夢目覚めぬままに足下の崩落
6
そっと解き集めたリボン押入れに幼き日々のしあわせ届く
11
しずまないネオンのひかりに背を向けてまぶたの裏のわたしだけの夜
9
ひとりきり薄い薫りで思い出すあなたが来た日のあざやかな色
9
ファミレスの塩に命を救われた鈍行乗り継ぎ夏の東京
8
ちょんちょんと爪音鳴らしてにじり寄るいぬの前脚おひざの上に
12
ちょっとだけ持ち上げるように押すんですご機嫌伺う長年のコツ
8
ベルの音に彗星低くひらめいてやさしい声のベテラン事務さん
8
分かたれしあかき魂こぼれ落ち交じること無きひとりとひとり
7
視界焦げ掴んだ腕も燃え落ちて抱き合うだけで世界は滅びる
4
前かごにちょんもり座る老いたいぬ立てた両耳北風に揺れ
14
餞別の花束部屋中さまよってようやく見つけた麦茶のポット
6
夕暮れの小さくなった公園にまだ捕まらないわたしたちの影
7
モニターにぶら下げた視線逸らさずに背中で浴びるささやきの波
4
八十年ぶりよ並んで眠るのはほほえむ姉妹のレンタル寝間着
11
飲み込んだ長いしっぽの先端で目が合う私の知らない私
6
たわむれに閉じた世界を切り裂いてひかり賜わす白銀の鋏
6
リビングの隅に取り残された夏ものぐさな我に首振りもせず
9
初日こそ前職経験光るとき配属部署の勢力分析
7
あそこにも見覚えのあるシルエット知り合い増えてくぼやけた眼鏡
10
直列のいぬそれぞれにリード持つ空いた手繋げばビビッとくるかな
5
高らかな祈りのように宣言す「折り曲げ厳禁」「水濡れ注意」
9
抱かれども心通わぬ冬の夜ぬくもりだけ在る電気毛布
9
真実を追加料金で塗り潰しがあかしを立てる証明写真
5
寒すぎて暖を求めて重ねる手コピーしたてのA4用紙
15
紺インク乾かぬうちに手帳閉じ慌ただしく去る師走の足跡
9
厨房はにわかに笑う壁隔てひとりかき込む給食の春雨
8
くらやみに慣れた視界で捕まえてやさしく灯るほんとうの光
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