まるや
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日常短歌と創作三国志短歌

桟橋のふねを蹴り出し見送ったきみはまたあの月の夢を見る
2
不自然にへこんで床に落ちているクッションの温度 気付きたくない
2
綴じ込みの切り取り線をたどる刃がぼくと世界を遠ざけていく
6
無作法なスプレー缶が撒き散らす愛で錆びゆく真白い門
2
均等に分け合おうぼくは右の手を あの子の傾いだひらがなが好き
4
先週は月から迎えの船がきてもう会えないって言ってなかった?
5
きみのこと二度と考えたくなくてシステム手帳の余白を殺す
5
七十年 宛名違いの恋文をはじまりにしたふたりの歩み
4
永遠に騙していてね背を撫でるこの手はあなた目を開けようとも
3
あのひとと話すあなたの横顔が好きだからずっと三人でいい
4
あなたには見せたくなかった一面がねじれてあふれ戻れなくなる
5
踊り場に落ちる夕陽を翼とし下級生の階へ降臨せしきみ
6
明け方に結論が出てファミレスを出ればふたりはひとりとひとり
9
きみほどはうつくしく終われないだろう 劣等感がぼくを生かした
3
もうすこし話したい夜はあったかいココアで今日のきみを引き留める
6
恋人は抽選販売 トレンドを埋めつくす#譲渡#交換#定価
3
後悔の器に盛った愛しさを取り分けて笑うふたりの新居
3
ぼくの傷 犯人探しの教室でぼくときみだけが知っていること
2
本能の遺灰 ああこれできみのこと愛してもきみは汚れずにすむ
3
叩かれるだけじゃなかった 母の手はときに日陰をつくってくれた
8
天井を見上げる視界を遮ったきみのまぶたの星々、くちづけ
4
念入りに洗い流した指先がまだ忘れないあなたの温度
3
両親は硬い顔してぼくの絵が悪魔かパイかで議論している
9
夕立に濡れたからだで鍵を閉めふたりの夏が動詞に変わる
8
立て掛けた素描のきみの輪郭を指でなぞって付け足した影
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ゆっくりときみのソワレの幕が下り終演を告ぐ老医師の声
5
この春に散った桜の花びらがつぎの春まで色をあずかる
8
死にたくない ぼくのねがいを聞きとどけかみさまの指が長針を折る
6
ぼくが棲む地下のラボへのスイッチはきみが好きだったシリーズの二巻
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先週の土曜は昨日のことじゃない?あなたの部屋は月曜始まり
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