氷山
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436

詩のことばをつかえるようになりたいです

なにごとも訓練が要る 一足に理想を目指す声を諫めて
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「ひたすら」と言うは易いが行うは難しというより可能ではない
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締め切ってひたすら学ぶ六畳間 蝉の声すら遠巻きになる
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わたしなど決意したって一心にできないままで それだからこそ
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世間とか上か下かの価値観はどうでもいいの 真面目でいたいの
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胸潰れさうなくらいの重圧におもむろに高く髪を結い上ぐ
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いつの日かやわい気持ちで詠んでいた自分のうたに救われること
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わたしにはこの世の何も向いてない 窓辺で風に吹かれていたい
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ねじくれた幹を持つ木もその昔苦しくて身を捩ったのだな
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かき氷みたく不安が脳髄を染め上げていくAM 1:00
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うずくまることしかできない命なら はなからダンゴムシがよかった
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自分では生きてていいと思えない ひとの人生ばかり認めて
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蜘蛛の糸よりもはるかに頼りないわたしの道を必死でつむぐ
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明日あすの朝起きたら化石になってたい 淡い期待をシーツに挟む
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働いて無口になったあねさまがとんぼの写真をみせてくれた日
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夏なんて他人事の部屋を揺さぶった夜空の花が開く轟音
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友人の誰も彼もが手伝いを買って出てくれる豊かな病床
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大人はね、熱が出ててもお粥とか作ってくれる人がいないの。
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はじまりの一歩はこわいと決まってて思ったよりも人はやさしい 
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夏祭りまでに治るかわからない 露と消えにし浴衣のあなた
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夏風邪に浮かされ母の手を夢に見る かあさん、あつい 冷えピタかえて
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反対の新幹線にのりたいなぁ 分銅がのしかかる心臓
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バチンって音と衝撃、あと痛み。それを合図に恋をわすれる
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さようなら。左の耳にひとつだけあなたの痕を残してほしい
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わたしこそわたしを縛る鎖であってどこへ行っても自由になれない
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初恋があなたでよかった、心からあなたを愛せたわたしを好きだ
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忘れられたくないと泣く吾の首をしんねりやさしく締めて黙らす
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出先ではずっとほんのり鼓動が早い みんなみたいに器用じゃないし
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さくらんぼみたいに赤い唇の輪郭を見る わたし、生きてる
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いつ死ぬか分からないから私たち納得できるせいでいようね
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