氷山
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詩のことばをつかえるようになりたいです

この恋もいつかは消える、と慰めたまぶたに浮かぶ大粒の玉
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目ざわりなジェンダーロールはケチャップをかけてすっかり食べてしまった
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寝ようとはしても瞼の裏側にあなたの影があるものだから
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だんだんと周回遅れになる日記 寝起きのからだもヘドロになって
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愛したい縋りつきたい「誰か」とは結局いつもあなたであって
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脇道を歩くいつかの君のため一つ二つこぼしておくよ
6
なんとまあ呆れたばかの私でも温かい手に運ばれてきた
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薄曇り しとしとと降るひぐらしの声がさみしく、さみしくなって
6
煮え切らない雨が小窓を叩くから ねむい 誰かに優しくされたい
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うだうだと午後のバイトに行き渋る きのうの日記もまだ書けないで
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みんなより不器用だから仕方ない 焦げたパスタをお箸ですする
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「作られた自然体」というみずからの言葉がわたしを鋭く刺した 
7
愛してる、私以上をあげるからあんたの全部あたしにくれよ
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わたくしのせいいっぱいの一生を差し出したって及ばぬ仙娥
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誰かとの結婚式を見たくない わたしはあなたと一緒に生きたい
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日々痛むわたしの胸を取り出して全部忘れてしまいたいけど
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鷹揚で笑みのかわいい貴女あなたが好きだ、好きだ、好きだ、助けて
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手が触れる、それだけのことで今までにない形状にひしゃげる心
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たったいまはじめて知った特別を忘れられる日がくるのであれば
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(好きでいること、それだけは許してね。)わたしにピアスを開けてほしいの。
3
昼すぎの恋の話がいつまでも終わらなかった、ナンもでかいし
4
今はまだうたにできない 愛する人の背中を抱いた指のふるえを
7
来世でも会いたいあなたが蝶ならば花、木、キャベツになって寄り添う
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わたしたち、星だからこそ平等に光るしみんな色も違うの
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首吊りの紐を外してくしゃみした あの瞬間が胸のふるさと
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人生はなんということもありません。泣いたベッドで踊ってもいい
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病院にいつも見舞いにきたひとも、母をいじめたあいつも父で
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ただの友達だけどわたしは好きだから、明日の準備する手が湿る
3
玄関にたかる小虫を殺すため火をつける渦 夏の匂いだ
9
恙なくやっていけるか分からない だってこんなに月が赤くて
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