氷山
19
26
投稿数
417

詩のことばをつかえるようになりたいです

快晴をつむじに浴びて泣きながら歩くわたしとちいさなミュール
4
生きるたび変わってしまうわたしでも朝な夕なにあなたを愛す
7
もがくのも苦しいだろう 悪いけど少し早めにいのちを覆う
5
どこまでもでっかい月が追いかけてくるんだ母さん、兎もいるよ
8
観客の拍手の音は楽屋から漏れ出す怒号をのみこんでいく
8
触れないでいれば在るかも分からないはずだからもう返事はしない
4
空蝉にあつまる蟻を見下ろしたわたしはかてを待つだけの雛
8
どんな子も自由に生きられる家の床束ゆかづかになる覚悟ができた
5
たらちねのあなたを撫で返せるだけの立派な腕を賜りしこと
9
べつに神様じゃないけど願掛けに愛する人の写真を飾る
6
逃げて逃げ疲れた隙間に勉学をすべりこませる姑息な日ごと
5
なにごとも訓練が要る 一足に理想を目指す声を諫めて
9
「ひたすら」と言うは易いが行うは難しというより可能ではない
4
締め切ってひたすら学ぶ六畳間 蝉の声すら遠巻きになる
7
わたしなど決意したって一心にできないままで それだからこそ
5
世間とか上か下かの価値観はどうでもいいの 真面目でいたいの
5
胸潰れさうなくらいの重圧におもむろに高く髪を結い上ぐ
11
いつの日かやわい気持ちで詠んでいた自分のうたに救われること
18
わたしにはこの世の何も向いてない 窓辺で風に吹かれていたい
8
ねじくれた幹を持つ木もその昔苦しくて身を捩ったのだな
10
かき氷みたく不安が脳髄を染め上げていくAM 1:00
9
うずくまることしかできない命なら はなからダンゴムシがよかった
9
自分では生きてていいと思えない ひとの人生ばかり認めて
7
蜘蛛の糸よりもはるかに頼りないわたしの道を必死でつむぐ
11
明日あすの朝起きたら化石になってたい 淡い期待をシーツに挟む
5
働いて無口になったあねさまがとんぼの写真をみせてくれた日
13
夏なんて他人事の部屋を揺さぶった夜空の花が開く轟音
8
友人の誰も彼もが手伝いを買って出てくれる豊かな病床
12
大人はね、熱が出ててもお粥とか作ってくれる人がいないの。
13
はじまりの一歩はこわいと決まってて思ったよりも人はやさしい 
14