刺草キロ
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シニアスタッフの営業マンです。同性同世代の歌に特に反応してしまいます。また、にわか相撲ファンです。

生徒らは散り散りになり忘れられ 発掘されないタイムカプセル
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記念だの思い出だのを貯め込んた ガラクタ箱は発酵しない
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水吸ひて重く湿った雨後の森 地図と磁石で辿る杣道
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きまぐれの炭酸入りの甘い酒 5月の風におくびを放つ
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待ってくれもう少しだけ待ってくれ 無事是貴人の域に入るは 
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湯くぐりて この時季ときはなつ芳香かな わさびの葉花おひたしにして
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読み終へし「北越雪譜」を手に置けば 近世びととの知的交感
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もの忘れ「錯誤行為」の代表例 そは意識下の望むことやも
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大盛りの油ギッシュなナポリタン ぺろり完食罪深き吾
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冴え風に葉の裏見せてひるがえる 緑の樹々の隙間には闇
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八頭身 超カッコいい女性かな? 冨永愛似のひさかた乃ひと
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昨日観たホラー映画の影響で 悪夢にうなさる平和な男
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家持の銅像やけにイケメンで ちょっと盛り過ぎ万葉の里(二上山)
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日本晴うみかぜ薫るベンチにて 来し方行く末思ふは野暮なり
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宿に着きテレビなんかを見ちゃったら 旅に出た意味なくなりもうそう
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越の海波静かなるその向こう 荒ぶる国のありしとぞ聞く(富山湾)
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今売りの酒造の蔵を訪ぬれば 胡の国の人酒を嗅ぐなり(砺波市)
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登りなば季節ひとつき遡り 今ぞ芽吹かむ飛騨の山里(東海北陸道)
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萌えあがる緑の木々の濃ゆ淡く まといて笑ふ低き山々(新東名)
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花の名も草木の名をも覚束ず むそじすごせし野暮やくちおし
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飛び石をひとつつぶして七つ立ち 渋滞覚悟の旅の始まり(千葉発)
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なまぐさき放水路のにほひさへ 好まし思ふ春の夕暮れ
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こいのぼり 「我が身に似よやオノコゴと」 きっと言い出す「コドモ」に替えよと
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休肝日仕事帰りにひと泳ぎ なんと健全 眠剤ひと粒
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黒点がじろりと睨めば寒冷化 ウインクしたら温暖化(猫好きさんに賛同)
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理由なく作動不良のエクセルに 脳は疲弊し悪夢見させる
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飛び乗ってから気付く ここは女性専用車両 いたたまれない早よ駅着け
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狭い柵つつじぎっしり咲き揃い 女性専用車両の薫りにむせる
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雨の匂い ペトリコールの匂いらし 「石のエッセンス」とAI教え(私も好きです)
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嫌なことは明日にしようぜ今は酒 切り替えスイッチこれぞ老練
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