Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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涙とは儚きものと知りながら とどめることが我にはできず
5
三日月に座ってみている亡き父の 時折聞こゆ不器用な声
8
水瓜切るサクッと割れる夏色の 赤に散る黒 花火のように
6
側溝の泥あげ作業の粛々と 道具使わず手のみ使いて
6
じっとしていれば涼風訪れて そっと幸せ置いて消えたり
14
ハンドルを握る私を夏空は 自由へ誘う日曜の午後
8
涼風の流れ込む朝山からの うとうとしつつ至福のベッド
8
夕闇の静かに迫る ため息の 一つ分ずつ黒染まる庭
10
友の旅マンゴー氷の美味なるを 話しと写真で味わっている
10
取材受け戦争語る母の
横顔
(
かお
)
一瞬戻る女子学生に
9
この星に来れて良かった たくさんの大好きな人
短歌
(
うた
)
に出会えた
10
今見てる 景色は世界の一滴で 見えないものに包まれし我
8
夕暮れに一秒ごとに近づきて お気に入りの夜 我が手に届く
11
チャンネルをサバッと変える時のよに 全て捨てたい昼下がりかな
8
どんよりと梅雨の雨間の紫陽花の 花びらだけに夏空がある
9
寝る前の五年日記は私です 過去と未来と唯一の今日の
7
「死ぬことを忘れてまった」と伯母の言ふ 百七歳の美しき皺
15
戻りたい道は遠くて近いから 草取りしよう雨も上がった
8
戦争の哀しみ色の写真には 一文字の口若き日の母
15
戦時中母の作りし飛行機で 散った人あり空の青さよ
13
カフェ一人聞こえてしまうお隣の 熟女四人の知恵自慢続く
10
窓開ける とたんに風の子飛び込んで 花瓶のコスモス優しく触れた
12
登校を知らせる音の届きたり 遠くで生きる六歳の影(安堵して)
7
今はもう補聴器頼る母なれど 「あなたの声はよく聞こえる」と
15
蛇口から出る山水でじゃぶじゃぶと 洗ったトマトに夏が住んでる
14
高齢の母の冷たき足先に 置けたらいいな我が手素直に
12
庭清む一年前の枯れ葉寄せ 苔の生まれに喜びもらう
6
京の夜ベースの響くジャズバーに いつか行こうと古稀の約束
10
夜静寂
(
よるしじま
)
狐の声の反射して 夫はライトを手にして外へ
3
富士登山飛ばした帽子野うさぎの 住みかになって静かに座る
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