Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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星流る夜の近きを教えられ 手合わせ願ふ事考える
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両脇にカボチャをかかえ猿走る 田舎の秋の運動会は
19
「アマゾンでこれたのむわ」と母の声 九十七はまだまだ生きる
26
あれこれと些末の用事詰め込んで 一日早し七十代は
13
夏の日に届いた葉書手に一枚 返事をせずに秋は来にけり
13
霧雨の降り注ぎたるツワブキの 黄の花の上秋は止まりぬ
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,台風を一人で受け持つ八丈の 青空願ふ無事祈りつつ
16
幸せは心が決めると知った日は ホットの梅酒一人であおる
22
亡き父の愛でし庭にはモンキチョウ 見に帰りしかシュウメイギクを
20
ラーメンと言わぬ店あり 中華そば カウンター隅一人の贅沢
12
天ぷらを一匙運ぶお昼時 口は幼子百八歳の
14
仏壇に数珠の手合わせ目を閉じぬ 伯母の思いは何処へ向かうか
15
百八の歳を重ねた伯母の声 執着のない言葉を包む
16
名月の淡き光の庭にいて シュウメイギクの白の優しき
21
七十を越えたから今思ふこと 勇気忘れずまっとうに生く
17
誕生会いつもと違う席におり「あなたが主役」襷恥ずかし
10
七十を一つ越えた日コスモスを揺らす風にもお祝いもらう
19
お祝いのラインスタンプ虹色の 吾の生まれた日照らして輝く
17
旧居には知らぬ車の停まりおり 吾子探す癖六年ぶりの
11
友我に 与えしゴーヤの佃煮の 苦味は遠く優しくありて
17
妹と長電話した夜長には 心の刺の少しやはらぐ
19
苦しみを紛らわす家事薬のごとし洗濯掃除は
11
墓の花変えて青空見上げてる 解の見えない問い繰り返し
20
縁側に座り黙って目を閉じる 秋の日差しは少し寂しい
16
心配とセーフの合間の青空よ 今日は元気な母の介護で
14
庭のすみ シュウメイギクの蕾あり 固い蕾に秋握りしめ
14
夕顔は 重なる母の白髪に 揺れて静かに微笑む母に
12
百八の伯母に氷菓の一匙を 口に運べば若き日の顔
22
補聴器を付けても聞こえぬ母なれば 伝える言葉怒鳴りになりぬ
23
暑い日に思い浮かぶる海の底 静かで涼し青の世界よ
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