Utakata
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月夜ぼたん
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ただ歌を詠むことが好きなおばあちゃんです。よろしくお願いします。
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良き事を記す日記は寝る前の ほんの五分の確かな幸せ
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紫陽花に空の青さと白とあり 一つの花に夏が見えた日
12
夏至が過ぎ闇夜の訪れまだかいな 山の大きな影はのこりぬ
11
慈しむ我になりたし逝くまでに 誰をも変わらず愛せるように
12
食材を小さく刻み並べたり 百八歳の茶寿の祝いに
18
梅雨入りを知らずに子らは駆け回り
雨間
(
あまま
)
の虹の行方も知らず
9
乳飲み子を背負いて描きし日もありて
媼
(
おうな
)
の画家の柔らかき手
15
梅雨入りの細き雨足紫陽花の 蕾は固くただ凛と立つ
12
「手術しよ」細き指持つ 医師の言ふ 私は答ふ 小さき声で「はい」
14
「生きている」 それだけでいい それがいい ストーブの火は 静かに燃える
13
いつまでの命と知らず 今日始じむ 今日の命を 無駄にはしない
13
四千歩 毎日歩くと 決めた日の 空の青さを
眼
(
まなこ
)
は忘れず
13
音もなく 振り積む雪に 街灯の 銀の光の ふわり重なる
21
山あいの我が家をかすめ流れたり 流星群は宇宙旅して
16
毎日を「最後の日」とし始めたり 朝の覚悟と穏やかな夜
13
つれあいと会話の届く距離にいて 時々離れる何億光年
17
寂しさは山から落ちて布団へと 今夜は抱いて眠るとしよう
14
ふるさとを口にし力士強くなり 越えていかんと伝ふ能登へと (祝優勝 大の里さん)
14
夕暮れの薄墨色のひとときに 月とまちがふ夕顔の白
12
心にもワレモコウのごと赤のあり 消せども消えぬ紅色の染み
10
吾亦紅 月夜の風にふうわりと 包まれゆれたり小さき赤は
11
母の手で植栽されし裏庭に 「ムラサキシキブ」の玉がこぼれる
11
金魚には金魚の理由のありたるか 絢爛豪華恥ずかしげなり
7
幼子の金魚すくいの手もヒレも 同じリズムで動きを止めず
9
教壇にどんな笑顔で立ちたるか 吾子を思ふ日の我はただ母
13
同歳の友の訃報の新聞を 指で撫でてる母すぐ百歳
14
待ちかねた秋の便りは庭の隅 白の清けさ秋明菊の
11
もう五歳まだまだ五歳一年生に 自分で決めるランドセルの色
10
煮た栗で母の作りし栗きんとん 深き味わい九十過ぎの
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乾きかけ少し崩れた心持ち 吾の人生の終盤スタート
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