Utakata
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ココニャン
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葉の茂る柿の木の下紫陽花は
数多
(
あまた
)
の蕾で梅雨どきをまつ
15
いつ誰に教わったのか老猫よそんな上手に甘える
術を
(
すべ
(
)
)
13
獣医さん猫の名前をちゃん付けで呼ばれるたびに吾が答える
12
なにかしらからだ動かぬこの頃は一歩ためらうやりたきことの
8
左から
蛇
(
くちなわ
)
様がくねくねと前を横切り田圃に消えた
5
夫はまた夜が開けぬ間に起き出して畑に向かい日の出を急かす
8
六度目のワクチン予約取り消しと医師の体調不良の知らせが
4
雨の音聞きつつ眠りにつかんとす明日の予報も雨になるらし
7
集まりの主役の友は三回忌墓前に香煙ゆらゆらのぼる
6
膝にのる愚かな猫のあたまなでお前はいいなあ われ関せずと
5
老猫の頭を幾度も撫でながら先に逝くなと言い聞かせおり
18
地図覗く白髪混じりの頭よせ三人の息子誰が誰やら
12
久々に集いし家族はそれぞれにスマホとゲームの世界に篭もる
8
帰る日の子らの家族を見送りて洗濯物を機に放り込む
13
腕の中見上げる幼き子のまなこドキッとするほど透き通りたり
17
整えた小さき公園そばに建つ廃屋となれり老人施設
5
布団干し窓開け放す五月晴れ子等の帰省を待つ母として
21
ラベンダーに羽音も高く
忙
(
せわ
)
しなく働きバチはただひたすらに
6
引き込まれて水田に泳ぐ小魚を首を丸めて白鷺狙う
6
花水木桜の花とみまがうも散りどきひそかに気づかれもせず
9
振り返り吾を確かめて先をゆく従い続く猫の細道
9
水面
(
みなも
)
より羽音激しく二羽の鴨寝ぐら目指すか待つ子がおるや
3
形見分の
義母
(
はは
)
の「でんち」を食卓の椅子の背にかけ小祥忌まで
3
豚汁を温め直す食卓にミシュランアプリ登場のニュース
3
久に来た息子に懐く老猫は匂い確かめ膝におさまる
15
「元気だね」「そうでもないよ」交わしあう朝の散歩のそうでもない我
8
久しぶり日頃の憂さを持ち寄りて笑いに変える老い盛りなり
6
得意げに下げ帰り来る夫の手にサヤエンドウの初なりの香り
9
古希すぎてなおなお慣れぬ生きること微睡む猫に教えを賜う
10
桜草、ジャーマンアイリス、チューリップ、エビネ、紫蘭をみ墓に供え
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