ココニャン
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友逝きて二人の秘密あの茶屋をなんで教えてしまったのだろ
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月二回夫を施設に見送りて友は自ら医院をはしごす
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必要な場所は意外と遠くにありたとえばハガキ投函ポスト📮
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ときおりの南部風鈴やわらかきほんのつかのま暑さを忘る
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灰の中真白き骨は納められ義兄あには小さく息子に抱かれて
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里の姪実家じまいに嘆息をこれらの写真どうすりゃいいの
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やはり来た登山のみやげ筋肉痛これが最後の伊吹の頂き
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伊吹山霧深き中ウグイスの声を聞きつつ山頂目指す
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伊吹山うぐいすの声ジャコウソウかってなかった売店ラーメン
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梅雨明けの蓮葉の海に数多咲き一日を包み花びらをを閉ず
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ダメージを吾に残して去るコロナ猛暑の夏を乗り切るすべは
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早苗田に群なし泳ぐ小鮒待つサギは真白き羽をたたんで
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匂い失せ味を奪われ老二人ワクチン六回接種のあとに
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父祖の夢継ぐものはなく北の地に墓石は傾ぐ 夏草深く
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大谷を推しの夫は不機嫌に結果をまたずチャンネル変える
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病を得て隣人となりの友は施設へと居住を移す紫陽花の時
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向日葵の朝礼なるやすくっと立ち太陽仰ぐみないっせいに
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出勤の息子の背なに夫の声言いにくそうな「行ってらっしゃい」
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初収穫かぞえるほどのブルーベリー頼りにしてるよアントシアニン
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自主的に好んで付けるキメマスク老け顔助け一石二鳥
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散歩道出会うワン公目をそらすこの杖嫌いと言われてもなぁ
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たすけたきに早苗田の畦にアマガエルくちなわ狙いて末期まつごの声聞く 
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完ぺきな下僕となりし老いふたり食事の順序はまずお猫さま
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口うるさく鳴く老猫に動かされ一日ひとひは猫のまず食事から
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マスク中口の両わきほうれい線いっこく堂の腹話人形
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雑用に追いまくられて一日ひとひふせっかく夫の留守というのに
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雨上がり畑の泥濘みに足取られ泥の靴下夫は突き出す
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楠木に張りつき登るアマガエルてっぺん目指せ負けずに跳ねろ
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最後尾ひたむきに走る徒競走小学の孫来年はきっと
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朝一番我が家に居らぬ若い声飯が炊けたとAIが呼ぶ
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