Utakata
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ココニャン
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色褪せた漫画の並ぶ
息子
(
こ
)
の部屋へ孫来るを待ちカーテン開ける
16
つくし
剥
(
む
)
く指先染めて老い二人雨音続くすごもりのとき
29
皺とシミてんこ盛りにし鏡の中口角あげて諦めをつける
16
セピア色麻疹の記載母子手帳五十手前の息子の記録
18
庭に咲く切り花抱え墓参り荒れ吹く風がマッチを吹き消す
19
春の鬱吾の駄作哥にバツをつけため息深く行き止まりなり
14
ミツバチはイヌノフグリの花びらにしがみつくよに蜜を求めて
12
散り初むる河津桜の木の合間覚えあるひと手を振り笑まう
12
食卓の摘み菜の緑冴え冴えし畑に残さる黄花も笑まう
23
リメイクの作務衣友より贈られてピッタリ
身体
(
み
)
に添い少し悔しい
13
市が推しのフレイル予防講習へそれを恐れる歳となりたり
15
新しく揃いの携帯色ちがい並んで座る老の脳トレ
16
高台より眼下広がる梅花の海「いなべ梅林」風香り立つ
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もみ合いの湯気立ち上る「難追殿」裸男の汗しぶき舞う
14
国府宮運び込まれた「大鏡餅」法被を濡らし雨がしとしと
13
信州の味噌蔵に座す「貧乏の神」かなり本気で豆を打つける
14
野良猫が声に振り向きじっくりと吾の顔見て立ち去りにけり
16
枯草のいつものところ福寿草時をたがわず黄金にひかる
15
年老いた姉妹のやりとり長くなり「かけ放題」はありがたきかな
17
駿河湾カメラかまえて船の上真白く光る富士は惜しまず
14
河津川にそいて桜の道進む露天タコ焼き呼び込みの声
16
日の落ちた露天風呂より駿河湾溢れるお湯に罪悪感も
13
立春の声を聞いたか枝先に律儀に梅の花のちらほら
21
連れ歩くスマホ待ち受けありし日の愛猫のココ冷たく指に
18
今もって哥の良し悪しわからねど通ずる思いに迷わずプッシュ
10
何もかも
高齢
(
とし
)
のせいにし手を抜きぬ 食欲だけは衰え知らず
13
豚汁を温め直す湯気向こう日の出早まり睦月も去りぬ
16
青空に溶けて蝋梅咲き誇る寒の緩みも今日までらしい
18
笑えないお笑いにわらう夫と居て
温い
(
ぬく
)
部屋には寒い沈黙
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「直木賞」きっと取るよと孫の手にあの日の一冊川﨑秋子
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