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忌寸宿禰
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今日の出来事や思ったこと、今までの思い出を短歌として自由に読む、二十四歳の男性です。
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年の瀬にあれこれ言ひし干支なれど思ひ出せねど正月は来ぬ
5
年の瀬に干支の話をしていたのに今年の干支をもう思い出せず
7
「そのカーテン、レーニンじゃなくてレーヨンやろ?」 西日と冷戦 赤く染まる陽
11
「このカーテン、レーニンでできたやつやねん。」 祖母宅にかかる鉄のカーテン
13
「せり、なずな・・・。」七草を問えば止まる祖母。「ごぼう、靴べら?」と茶化せばまた
7
力なく歩む背を越ゆその時にわれは幾世を負ひしものか
8
いくとせの古木のごとき
祖母
(
うば
)
が背は力なけれどなお強きもの
10
影なれば消ゆべきものを
眼
(
まなこ
)
なる濃き紫は
愈々
(
いよいよ
)
深し
7
まばゆさに心も白く霞むとも焼きつく青は褪せぬ形見に
6
久方の光に染める影なれば濃き紫の移ろひもなし
8
眩しくて目を閉じていても青いまま 影の輪郭黒く濃く浮く
11
泣き笑い怒りあぐねて素通りか 四段下なる影を引き立つ
5
ひな壇の隅に出番を待つ我ら 名も知らねども春を囃さん
8
高砂や尾の上に立つ雛人形 残る四段の名を忘れけり
8
ひな公の笑みもほころぶ春の宵 祈り重ねて花もひらく
7
桃の花 灯火清きひいな棚 願の小さき皿に満てりぬ
7
軒うつる雫の音も晴れやかに ついに聞きつる春の初音ぞ
7
春雨の雫したたる東屋に 晴るはここぞと鶯の鳴く
13
雨垂れと脈が合ってしまう 鈍色の底でひび割れる光 こめかみを刻みつづける秒針
8
鈍色の空の下にて頭垂れ 閃輝暗点 眼は染まりぬ
8
零れゆく想いを五七に
詠
(
なが
)
めれば
三十一文字
(
みそひともじ
)
をしかと越えゆく
7
曇天や雨垂れひとつ落つるたび こめかみ深く脈を刻めり
12
静寂に揺れる
鞦韆
(
ブランコ
)
そのままに沈む陽を背に童子散りけり
11
零れゆく想いを五七に
詠
(
なが
)
めれば
三十一文字
(
みそひともじ
)
の壁は背にあり
7
牛タンをたんと頬張り短歌詠み 静かな夜と交わす鍛高譚
10
真名仮名を綴り織り成す物語 誰を温めし布となりけむ
13
幾年
(
いくとせ
)
ぞ詩歌管弦を
修
(
おさ
)
むれど
現
(
うつつ
)
に与へし名残は知らぬ
9
芸術は慰めか、あるいは麻酔か
6
言問ひし
幽
(
かそけ
)
き声は季指の端 昨日をも知らぬ
深緋
(
こきあけ
)
の傷
7
知らぬ間に心へ触れし痛みかな 小指の先に光る切り傷
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