化石
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いったいどういうことなんだ?

夜雨やうの音 過去の己の三十一みそひとは今の己の無二の理解者
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見返した、写真嫌いな表情に思う、記憶は全て朧げ
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まだ僕はずっと聴いてるあの曲の“When I was”から抜け出せずいる
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踊る君 背中の羽は本物で草臥れさえも芸術だった
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生きていくためには足りぬ憎しみをぐつぐつ煮込み用意する鍋
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間に合っていない冬毛で膝の上 百年生きてあやかしになれ
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悲しみが光って溶けていく様はまさに愛だと形容できる
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熱あるね休んじゃおうか 前髪を乱した手すら全てまぼろし
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紛らわす手段をいくつも知りました、失くす手段はわからないまま
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現世うつつよに煙が紛れて染みたよでちょいと御手手を繋いでほしい
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あのひとの髪の長さはいつのもの 夢から過去を検索してる
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抱きしめて浅い呼吸を繰り返す 呪いの影が寄せては引いて
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共感がほしいわけじゃなく適当に笑ってほしい事がらがある
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柔らかい物言いすれば騙される、そういうところが狡くかわいい
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身体からついに離れた後頭部 快適ですか俺と違って
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人間は「救われること」しかできぬ「救うこと」とはいつも幻
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そんなのは世界が滅びてから言え「お前がいればどこでも」などは
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白々と燃ゆる怒りが必要だ 水を汲み上げ全て飲み干す
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気の遠くなるほど長く細い管を抜けて穴はテープで塞ぐ
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最果てに何かがあるという夢を笑わず聞いてほしいだけです
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軋む音 聞こえぬふりで誤魔化そう 滲んだ夜は難易度が増す
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いつの日かうなじの辺りが裂けるはず よれた翼で空を飛ぶのだ
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迷わずに観客席を指さしたどこも舞台と知ってるきみを
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価値がないところが俺の意義であり、見出されると溶けて無くなり
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逍遥の主題奪った薔薇でさえ教えてくれぬ 自分の在り処
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板の上全てわかるのまた全てスポットライトの塵と踊るの
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心奥しんおうの毛細血管染み付いた何処の旅路白く煙りて
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来た道が失せても泣いたりしないのだ 夢の中では常識だから
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本文を読み切る前に脚注の数に辟易 生きるは昏い
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まず名前次に立場の表明を 天使の踠き清く賢く
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