Utakata
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松本直哉
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なじみなき香りまとへるをとめごの日々とほざかるはつなつの距離
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咲きみちてさつきの庭の昼しづかゆめよりかろき蝶のかげさす
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はなびらのかずかぎりなく咲き重りあえかにたわむばらのひと枝
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朝な朝な来ては世界のねぢをまく鳥のすがたはみえないままに
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ひざ曲げてつばさたたんでねむるらん薔薇の内部の薔薇の妖精
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とこしへの愛などもはやたのまねど薔薇咲きにほふ聖五月かな
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小夜鳴き鳥こゑのかぎりになくゆゑにけさいちりんの薔薇咲きそむる
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しらたまのうなじの細きをさなごを蝶よ花よといつくしみつつ
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結局は消費してゐるだけだらう肉もマンガも天皇さへも
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ありし日のきみとのぼりし石段をひとりのぼればみどりあふるる
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柔肌のあつき血潮の色をして薔薇咲きいづるさつきのひかり
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夏服にそでをとほせばよみがへる去年のなつのくちづけの味
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はじめての薔薇咲きそむるこのあした春のなごりの風光りつつ
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さみどりのもゆるけやきのなみきみち母の忌日に母の恋しき
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空襲に家を焼かれし母なれど亜米利加にくしとつひに言はざりき
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こでまりのはな咲きいでぬあづさゆみはるの光のふる庭さきに
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ほのかにも吹く風にこそかをりけれ暮れゆく春の茉莉花のはな
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鳥ならば飛び立ちなまし世のなかのはなしの接ぎ穂見いだしかねて
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うつくしきことしか言はぬ人びとに倦みたる果ての若楓かな
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聖堂の床はがれきにおほはれて聖金曜日のいばらのかむり
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遁世のこころざしふときざすとき春たけなはに花も葉桜
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あいさつのかはりなのかなうしろから目かくしされる待ち合はせの駅
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かたこりの妹のかたもむ受難節つばさのありしところさがして
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戸のすきま白馬のよぎるつかのまのゆめまぼろしの世をわたりゆく
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いちはつの散らまくをしみ手折れどもいのちはかなくしをれたりける
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ほのぼのと明石の浦の怨みてもまだあまりあるわがなげきかな
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はしきやしめぐしと日ごろ撫でし子の花より団子の食べざかりかな
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世間体といふ縁なきことばあり花散る里の抒情組曲
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雲となり雨となりても逢ふことのかなはぬ恋と悟りぬるかな
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約束は藍色なりきさゆりばの知られぬ恋ぞ淵となりぬる
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