松本直哉
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沈丁の香りほのかに小夜ふけて「義に飢ゑ渇くひとはさいはひ」
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ヴァロワ朝系図うつくし解きがたき糸幾重にも結ぼほれつつ
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しながとり猪名野をゆけばぬばたまの夜空をこがす大輪の花
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はるかなるひとを恋ふとてふすよるもへだたる世にも穗にいでめやも
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つぼみいまだかたしといへどこうほのかみつつかすむ桜の並木
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かろやかに歌ひだしたるセロのふしチャイコフスキーのロココスタイル
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‪ふり仰ぐ空に電線スパゲッティかくもはかなき命綱かな‬
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バイロイト「指輪」ラジオにながれつつ煮しめくろまめ炊く年の暮れ
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芋ひとつころがる納屋のくらがりの手負ひの鹿の風雅な眸
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材木座海岸の夏果てにけり空舞ふ鳶の声の切れぎれ
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冥府よりメールマガジンとどくゆめオルフェの琴にねむる番犬
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箸といふやさしき道具たべものをきずつけぬままふはりとすくふ
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よのなかはあそびをせんとや生まれけんかりがねわたる浮き雲の空
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瑞垣のひさしき世より恋ひそめき妹とへめぐる芍薬の園
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霧ふかきあさの根本中堂にふとくひびかふ勤行の声
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元号もやまとことばになさつたら?それほどからがお嫌ひならば
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肉体ははかなき器橄欖山登りしのちの睡魔はげしき
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ペンギンも飼育係りもなかりけり避難命令解除いくとせ
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薤上の露も干にけりなつかしき友の訃とどくはるのゆふぐれ
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のんびりと毛づくろひするまどぎはの金色の毛の猫になりたし
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震度六ゆれてこなごな姿見のひかり危き水無月のあさ
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‪簡単な和音ひとつにゆきなやむ告別ソナタさらふあけくれ‬
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ひさかたの月のひかりのふる野べにベルガマスクの即興の劇
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君恋ふと身も焦がれつつ燃えつきぬ闇夜に消ゆる蛍火のごと
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我もまた島とならんや善悪の彼岸に寄する波のまにまに
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ぬばたまの夜のふけゆけば合歓の葉のまなこをとぢてねむる吾妹子
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四輪馬車しりんばしゃしづかにきしれはしばみの瞳あかるき花よめのせて
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金色の稲穂のうへをふく風の秋たけなはとなりにけるかな
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あめつちは香炉のごとし秋されば金木犀の風ふきわたる
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こしあんふたりつぶあんふたりのうからゐておはぎをつくる秋彼岸かな
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