松本直哉
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逢はぬまま朽ちやはてなん夕陽さす口縄坂に紅葉かがよふ
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朝寝髪くしけづる子のまなざしのまなくひまなくわが恋ひわたる
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いそのかみふる雨ごとに秋ふかみからくれなゐに染まるうつし世
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金色のちひさき星のかたちして秋雨に散る木犀の花
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しるべなきくらぶのやまに行き暮れぬ道だにてらせ秋の夜の月
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すみかはる世こそはかなく思はるれかたぶきそめし秋の夜の月
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刈りいれもをはりにけりなひえびえと田の面をてらす秋の夜の月
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うつむいてくちべにえらぶをとめごのうなじのしろき秋の夜の月
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むらさめのすぎにしのちの雲間よりさえざえひかる秋の夜の月
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みたされて添ひふす閨のくらがりをほのかにてらす秋の夜の月
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言ひよどむくちびるあかき去りぎはのあきのゆふべのあざみ野のえき
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ゆるやかにマズルカは鳴り甘やかにリラの花咲くいざ唇を君
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ははそはの母のふふますちちふさのあまきにほひのはるかにとほく
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すききらひすききらひすき乙女子のかざしの花をちらすあきかぜ
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飛ぶ鳥のあすかいまかとまつのみのいつみきとてか恋しかるらむ
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ひとつやねのもとにおきふしまとゐするえにしのふしぎ思はざらめや
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香をとめてあくがれいづるこころかな金木犀のほのかにあまき
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手のひらと手のひらあはすそれだけで思ひ伝はる魔法もがもな
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たましひは秋の扇となりにけりうちすてられてあふぐかたなく
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さしまねくすすきの花にさそはれてこの世のほかのいづこなりとも
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まそかがみ照る日のあさのをとめごのうれひつつ編むみつあみの髪
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いなづまのつかのまに見しおもかげをえこそわすれねひとり寝のよる
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琴はしづかになりいだすらむしんしんとものみなねむる秋のまひるま
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ぬばたまのくろく靡けるその髪を織らばや千千のよるのとばりに
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玉の緒のいのちみじかく桜葉の舞ひちる秋となりにけるかな
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しらたまの耳やはらかきをとめごのピアスのあなをうがつもくろみ
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子の寝顔見つつおもへり子をすてて世をのがれにし釈迦牟尼のこと
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かへりざくゆふべの園の花いばら去りゆく夏のほほゑみに肖て
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ひと夏をこえて琥珀に熟したる辣韮そへてゆたけき夕餉
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玉くしげふたたび逢はぬひとゆゑに長き夜すがらいねがてにして
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