さいおん
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無常を詠みたい
比喩歌好きのガチ和歌専門

近頃は 選挙の時しか 行かない校庭が やけに狭く 感じられる
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初夏はつなつの 蒼き朝顔 匂ひぬる この夏深なつふかに なほさかるかも
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スマホ買い 出番のなくなった デジカメは 本棚の隅で 埃をかぶる
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鏡の中の 僕の額を 見て君を 思い出させる 水疱瘡の痕
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五月雨の 合間あいまは君を 思うとき 思いあふれて また涙雨
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いままでに 何度も君に 告白した「好きだ」と言った マスク越しに あの喧騒けんそうの中で
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5分間の 安らぎを求めて 吸いました 君の為に 辞めた煙草を
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人間嫌い 煩わしすぎて 断捨離したが 友達出来て 嬉しいと思ふ
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形だけの 三十一文字の 愛のこと それより勝る 一度だけのハグ
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下の階の 誰かのスマホの 目覚ましが 毎朝10分 鳴り続けている早く起きろよ
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夏終わり 南へ渡った ホトトギスの 声を聞くとき 夏が巡りくる
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天波録アメブロに 文を見るとは 思ふどち あれが契れば また返り来む
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一輪の 薔薇を心を 忘れないありがとう 僕の心が 癒える時までぜったいもどってくるから
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吾 亦 暫 暇 可そろそろやすんでいいかな
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スマホから 流れる音楽の わずかな間合いが 僕を恐怖に 陥れる
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一瞬の フラッシュバックが 僕を襲う 逆まばたきの 残像の光
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うるさい! 生きてる証の その音が 血の流れる音、 僕の寝息
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四時半の 空に染み入る 暁烏あけがらすの 声聞くときに 朝だと知った
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ぼくが尽きて しまうことが あったとて こうかいはない あいあればこそ
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UTAKATAは 死なない 唯一に 魂込める一歌入魂の 人ある限り
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いまはあまり 出番のない 体育館の 色褪せた緞帳どんちょう 歴史を語る
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歌の野に 日頃五月雨る 葛の木に 隠さる花を 見まく嬉しも
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いほつ海 まことともしも ありあけに いささおされぬ あはれあしたは
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鮮やかな 野辺の躑躅の 花盛り 亡き母憎んだ 心侘しき死ぬ間際の母と対立した事を思い出すことはとても辛い
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眠れずに 遮光カーテン 開けてみた 今朝の4時半 すこし明るい
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五月野の 茂みに咲ける 姫百合の 知らえぬ花は 葛に隠さる
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繕はぬ 数多あまたまう梓弓あづさゆみは 引かれぬままに 忘れ去るかも
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UTAKATAを こよなく愛す 者ならば 人も己も 愛すものかも
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潮干しほふれば 磯廻るらし 鳴くたづの 満ちときには なぎ渡るかも
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言乃葉乎ことのはを  参拾壱文字尓みそひともじに 並而茂ならべても  歌戸波不所云うたとはいへぬ 詠与情乎よめよこころを
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