miyaco
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詠むことでいくらかドラマチックなる似たり寄ったり唯一の私

日常と非日常とを行き来する世界の名前はまだ呼べぬまま
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画面越し花見に興じる人たちを虚しい思いで眺めるこの春
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朝焼けに溶け出す叫びとこの涙いつか誰かの言葉におなり
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日毎増す胸糞バターが溶け出してじゅわじゅわぼ~っと無になるムニエル
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軽やかに呼ぶ声遠く春の余波 水槽越しの呼吸困難
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薄桃のたわわに揺れるタラコの実 我が身に注ぐ命のスープ
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なんか今日帰りたくない感情は恋に限らず思い得るもの
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熱々のフライドポテトがしなへちゃになるまでぐだぐだ夜更かししよう
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唸り声上げてまとわりつく風が私を禊ぎ去るってわけよ
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ゆらゆらと輝く光目を細め遠のく水面私は魚
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真夜中に潜水するときお静かにスゥスゥスィ~と寝息の息継ぎ
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ともしびと呼べるほどの息遣い それだけがただ横たわるのみ
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繁殖の為にと思ったことは無し ただ何者にもなれない確認
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雨上がり少し湿った夕方は唐揚げ食べたいジュワッと食べたい
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凛とした姿勢でにこっと微笑んで マスクの下はあべこべくすくす
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何事も起こらぬ冬の暖かさ胸中にのみ降る概念の雪
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舞うだけに飽き足らず泳ぎだす雪に閉じ込められし冬の始まり
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滞りほぐす為にと鼻をかみ魂も少し抜けた気がする
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「またいつか」別れの言葉を述べた後パラリと落ちた髪は栞に
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等速で直線上を移動する点Pどこへ向かうつもりか
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うら寂しい香りの風に揺られるは我が頬撫でる白き箒か
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今日もまたなんでもないこの一日が終わることへの不安と安堵
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あの夏の残り香かぷかぷ食べ浮かび鱗雲に届くつま先
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軽酔いの中で手先寂しくてチリリともがれるパジャマの毛玉
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美しき一羽の鳥になれたなら悲しみを歌にできただろうか
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しなやかに投げ出したる脚ぱたぱたと黄昏の心に飛び込む準備
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聞いてもないアドバイスどうもありがとう 私の世界にお前は居ない
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お互いに嫌いになれて嬉しいだなんてとうとう狂っちまった
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流れ行く車窓の景色を眺めつつ誰かの人生なぞる午後4
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対面の君の手がふと触れるとき ひゅっと飲み込む息ののどごし
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