miyaco
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詠むことでいくらかドラマチックなる似たり寄ったり唯一の私

夜毎よごと襲う不安をはらう温かな朝日にそっと指をからめる
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ばらばらな日常に服を着せること。私が短歌を作るということ。
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神様も寂しさ埋める為人を作ってちやほやされたかったの
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内海うちうみの小春日和を背に感じ猫ってこんな気持ちにゃんだな
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もう一度出会えたならば幸せになるため関わらないでいようね
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ザリザリと噛み砕けない飴玉を転がすように口籠くちごもる僕
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明け方に生まれた君は少しだけ素直になれる時間をくれる
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微笑んで見つめてしまう夕方の植木にかかるプリズムの橋
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思い出が家出したから窓開けて風通し良い私の心
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眠れない夜にこぼしたせきひとつ澄んだ音色は誰も知らない
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寝室の暗闇を刺す稲光春抱く大気遊ぶ轟
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返らない言葉がちゅうに舞う時に一際目立つ余白の広さ
6
少しだけ残った遠慮の塊のポテトチップスあの世の通貨
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望まない寂しさだけが寄り添って馴れ合う夜は静かにける
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悲しみに置いて行かれた空白を埋めようとした大寒波の雪
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一欠片ひとかけら透き通った面影を内緒で持ってていいかな 涙
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皆眠る午前三時の瑠璃色に朝を呼び込む赤子のあくび
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ひとしきり甘やかした絶望との別れが似合う曙色あけぼののいろ
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愚かさをたたえたプールでひとりきり背泳ぎしながら見上げる月夜
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雨音に溶けて流れた思い出を探しに出かける新しい秋
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襟元を開く速度で一つずつそちらに届く夏の体温
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えんなんて良いもんばかりじゃないけれどすれ違う度笑いあえたら
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涙色の吐息がこぼれたあの夜も愛は君の形をしていた
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散り散りに壊れた心裏腹に人の形をしている私
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いつだって子供のままの膝小僧青タン見つかるいつものお風呂
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自分のこと知るより前にあなたへと歩き出す足埋まらぬかわ
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ゆるやかに光の中を舞うちりの名もない宇宙の朗らかなこと
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天井に張り付くあかりに吸い込まれ震えて過ごす静かな夜よ
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じゃむじゃむの雨の日は甘いケーキ食べパリパリ笑う銀紙の淵
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柔らかな儚いものに触れるかのごとくあなたと向かい合いたい
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